ワインの時間

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今夜はアルパカ


ワインの家飲みを始めたのはもう20年以上も前になる。

 

若いころからお酒と言えば日本酒、ビール、焼酎、ウイスキー何でもあれだったけれど、ワインは馴染みがなかった。

でも一時期ブドウどころの地元の酒造家が、地元のブドウを使って赤磐産ワインという葡萄酒を作って一升瓶一本1000円で売り出したことがあった。

カミさんはその頃からワイン好きだったのだろう。

買って来て、毎日ではなかったが時々飲んでいたように記憶している。

私も時々お相伴にあずかっていた。

でも渋くて、いつの頃からか飲まなくなった。

 

我々の子供の頃はワインと言えば赤玉ポートワインで、甘いものだった。

だからか、友人たちの中には「このワインは甘うないけえ飲めんわあ」と今でも嘆く者がいる。

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頂き物のワイン。いつ開けようか楽しみだ。



しかし我が家は今では一日おきにワインの日。

カミさんのワイン嗜好が世間に知れて、姉妹や姪たちからはお祝いごとがあるとワインが届く。

もちろん、ワインがお休みの日は日本酒やビールの日。

お酒エブリデイだ。

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お気に入りのワインオープナーとフォイルカッター アルパカには不要だけれど



我が家のハウスワインの主力はチリ産のアルパカ。

スーパーで500円前後で売られている。

アルパカと言っても種類が多く、このクラス(500円前後)で7種類あるという。

我が家のソムリエのカミさんは、アルパカのカルメネールが一押し。

20年以上飲んできた安いワインのワイン通としては、このアルパカの味は誠にリーズナブルと思う。

何の違和感も異存もなく、普段着で食事が楽しめるワインだと私も思う。

 

このワインを買うときは私のポケットマネーだ。

私のささやかな小遣いで家計を支援できるのだ。

500円前後のワインを3人家族で飲むというと安いように思うけれど、もちろん1本だけでは済まなくて、息子が興に乗ると別の金賞ワインなどをもう一本と空けたり、私は日本酒とビールをさらに飲むので酒代は馬鹿にならない。

でも、もう老い先短い老人だしと皆、あまり文句も言わなくなった。

 

ところで、ワイン飲みと名乗ってアルパカだけかと思われるのもしゃくだから、これまでに飲んだ私の一番高いワインを披露する。

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水仙の花が「春遠からじ」と告げている。




10年ほど前の新年、孫のAちゃんを抱いて、デパートの初売りに出かけた。

お酒売り場の前を通るとワインくじの宣伝をしていた。

1回3000円でおみくじのように箱から取り出す三角くじは1等50000円ワイン、2等25000円ワイン、はずれでも3000円ワインを進呈するというくじだった。

私の腕の中にいたAちゃんがくじを引いた。

カランカランと鐘が鳴った。

何と2等賞25000円のワインが当たった。

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鉢植えの植物の足元にワインのコルク。この中に25000円のもあるかも。

でも飲んだこともない高価なワインを飲むというのは何とも勇気がいるものだ。

そのワインを開けたのは1年も過ぎたお盆に集まった子供と孫たちとの夕食だった。

カミさんは病気療養中の婿さんに「あなたは今日は飲めないけれど、病気が回復したら私が買って飲ませてあげるからね」と了解を取って、ワインを開けた。

 

特別個性的な味ではなかったが、切れ味、さわやかさは普段飲むワインとは別物のように思われた。

と言いながら、ワインの利き酒をして、どれが一番高いワインとあてる自信はないが、10000円以上のワインか3000円前後のワインか1000円以下のワインかという高・中・低に分けてあればわかるような気がするが、どうだろう。

 

今夜はワインの日。

宮崎牛黒毛和牛カルビで焼肉、赤ワインで乾杯だ。

 

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