特権に胡坐をかいて、やめる決断ができぬまま事件化して大慌てする事例は後を絶たない。
今、最大の焦点となっている自民党の裏金問題は、安倍派の際立って厚かましい裏金作りに対して、国民の神経を逆なでして、自民党を大慌てさせているのだ。
しかし、衆参の政倫審を見ていて、国会議員となる人の何と面の皮の厚いことかと今更ながらに驚くのは私一人ではないだろう。
安倍元首相・安倍派会長が2022年4月に裏金のキックバックをやめることを提案して、それを安倍派幹部は了承していた。
そのことを、自民党世耕前参議院幹事長は故安倍会長から2022年4月上旬にキックバックはやめるとの「ご指示」があったと説明した。
従って、安倍会長が生存していれば、廃止され、適法な形でのキックバックになされたかもしれないし、さらに巧妙な裏金化に変わっていたのかもしれない。
ただ、安倍さんは統一教会問題に絡んで射殺されたことから、運がいいというか、運が尽きたというか、死人に口なしで闇の中に消えたのだった。
ところで残った馬鹿な幹部たちは、結局、ご指示のあった遺言を守らず、火の手の中に進んでいったのだった。
こうした経緯を聞くと、何と言っても安倍元首相のリスク嗅覚の優れていたことは人後に落ちないことが分かるというものだ。
とは言え、最期となったのが、統一教会の仕打ちを恨む青年の凶弾だったのだから、まさに「蟻の一穴、天下の破れ」となった。
それにしても、世耕氏が殿の「ご指示」と表現した遺言を殿が亡くなったとたんに反故にするのだから何とも政治の世界は義理も人情もない、昔から言われているヤクザな世界なのだとも思った。
また、昨年11月に行われた自民党青年局近畿ブロック会議後の懇親会に露出度の高いセクシー衣装を着た複数の女性ダンサーショーの鑑賞問題が発覚した。
和歌山県自民党県連青年局の企画した過激ダンスショーの中で、口移しでチップを渡したり、女性ダンサーの体を触るなどの行為が動画に撮られ拡散したのだ。
自民党和歌山県連青年局長の川畑県議は離党し、衆議院議員自民党藤原青年局長と中曽根局長代理は役職を辞任した。
30年前ならいざ知らず、パワハラ、モラハラ、セクハラ、マタハラなどなど相手を傷つけたり不快にさせたりするハラスメント行為が含まれているとなるとどのような弁解もできないと言えるだろう。
今回の場合のお札の口移しも、ダンサーの身体に触れることもだ。
私の40年前の職場旅行での宴会でお座敷ストリップーショーがあった。
踊り子の身体に手を触れないでください、カメラに撮らないでくださいというアナウンスがあったにもかかわらず、馬鹿なやつがフラッシュで撮った。
カメラは取り上げられショーは打ち切られてしまった。
40年前でもルール破りには厳しかった。
もちろん我々のような職員旅行とは違い、自民党の国会議員や県会議員の懇親会のショーでの対応はダンサーの方も嫌な顔一つせずに相手をしたのかもしれないが、心のうちはわからない。
あくまでダンスショーなのだ。手を出してはダメでしょう。
やはり自民党の青年局議員のおごりが見える。
昨年8月にあった自民党松川女性局長たちのフランス研修視察の際のエッフェル塔前の写真撮影の投稿写真だって全くの気のゆるみだ。
こうしたことはもはや時代錯誤の禁じ手なのだということを理解していないと言わざるを得ない。
ダンスを鑑賞するだけでいたのなら、まだ多様性云々の屁理屈で、厳重注意で逃げおおせたかもしれないが、一線を超えてしまったということだ。
裏金問題もダンスショーも同じ穴の狢なのだ。
ここは参政権という投票行動で国民が判断を下さなければならない。
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