山田真貴子秘書官の問題意識、発言に感服(放送法問題~その2)

見事なチューリップ

そして総理レクの模様は朝日新聞2023.3.8付「総理レクの結果について(放送番組の政治的公平について)」という文書に、総務省出身の山田真紀子首相秘書官が、安倍晋三首相への政策説明の場で聞き取った発言が記されている。

その場には磯崎陽輔首相補佐官と今井尚哉首相秘書官が同席した。

磯崎補佐官が総務省側に働きかけていた放送法の政治的公平性をめぐる解釈の追加について、山田、今井両秘書官が「メディアとの関係で官邸にプラスになる話ではない」などと否定的な考えを示した。

これに対し安倍氏は

「現在の放送番組にはおかしなものもあり、こうした現状は正すべき」

「『JAPANデビュー』は明らかにおかしい」

などと発言。

日本の台湾統治などを扱ったNHKスペシャル『JAPANデビュー』を疑問視した。

磯崎氏もTBS系列「サンデーモーニング」について「コメンテーター全員が同じことを述べている等明らかにおかしい」と発言した。

と記事にあった。

 

満開の桜の花

そして、総務省出身の山田真貴子秘書官は、磯崎氏と総務省が進める新解釈について「放送法の根幹に関わる」と問題視。

15年2月付の文書で、山田氏は総務省の局長に対し

「今回の整理は法制局に相談しているのか?」

と指摘し、本来なら審議会の開催や法改正が必要という認識を示している。

磯崎氏を念頭に

「今回の話は変なヤクザに絡まれたって話ではないか」

「政府がこんなことしてどうするつもりなのか。

どこのメディアも委縮するだろう。

言論弾圧ではないか」

と発言したとしている。

 



従って、あの安倍政権下においても、頭のてっぺんからつま先まで、安倍様、安倍様、安倍オンリーではない、政権のため、日本のため、国民のためという精神も伝わってくる。

こうした総務省出身の山田真貴子秘書官のまっすぐな意見に共感した総務省職員は大勢いたのだろうと想像した。

大輪の椿



しかし、このようなレクを通じて、こうした経緯を踏まえて、5月12日の参院総務委員会を迎えることになる。

質問に立った自民党の藤川正人議員が、選挙直前に特定候補者のみを密着取材する事例などを挙げ、

「一番組だけであっても政治的公平に反すると言えるのではないか」

などと高市大臣の認識をただした。

 

高市大臣はそれまで磯崎首相補佐官と総務省側が調整を続けてきた内容に沿った形で、

「一つの番組でも、極端な場合は政治的公平を確保しているとは認められない」

などと答弁。

公式の場で初めて、放送法の政治的公平性の解釈について「補充的な説明」をした。

同日、磯崎補佐官はツイッターで高市氏の答弁について触れ、

「従来は放送事業者の番組を総合的に見て判断するとしていたが、極端な場合は一番組でも、政治的公平性に反する場合があるとした」

などと発信した。

ハーデンベルギアの花





政策立案過程や政策の解釈変更過程が垣間見えて、大変面白く貴重だ。

それにしてもすでに、国会の場で発言している問題にも関わらず高市大臣は何におびえて「捏造」などと口走ったのだろうかと思ってしまう。

安倍政権下では数多の憲法や法令解釈の変更を試みたり実行して来て、その政権を支えてきた中心メンバーの一人ではないかと思ってしまう。

 

今、彼女の横でにんまりしているのは岸田総理だろう。

この問題の対応への素早さは「鳴かぬなら鳴かせてみしょうホトトギス」か、それとも「鳴くまで待とうホトトギス」か、いずれにしても待ったかいのあった政権を手にしてほくそ笑んだのは岸田総理のように見えて仕方がない。

 

でも、この世界は何が起こるかわかりはしない。

 

魑魅魍魎、天網恢恢疎にして漏らさずにご用心あれ!

 

 

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安倍忖度政治の放送法をめぐる行政文書から魑魅魍魎(ちみもうりょう)、天網恢恢(てんもうかいかい)疎(そ)にして漏らさずという言葉を思い出した

さくらの季節だが。


この度の安倍政権下の放送法をめぐる行政文書の公開から見えた魑魅魍魎の世界は、まさに天網恢恢疎にして漏らさずという言葉を思い出した。

難しい言葉を使ってしまったが、「魑魅魍魎」を辞書で引くと「いろいろな種類の妖怪や化け物。

また比ゆ的に、表にはっきりと姿は現さないが、私利私欲のために暗躍するもののたとえ」とあった。

「天網恢恢疎にして漏らさず」とは「天の神が地に張り巡らした網は、ゆったりして粗いようであるが、決して漏らすことはなく、それに搦め捕られる。すなわち、悪事を行えば、一時的には逃げおおせるなどうまくいったように見えるが、結局は、とらえられる乃至その報いを受ける」と書いてあった。

何だか安倍政権のやりたい放題とその結末をドンピシャ言い当てているようで気持ちが悪いくらいだ。

 

名前を知らない花


3月8日付朝日新聞は立憲民主党の小西洋之参議院議員が総務省職員から受け取った文書については、総務省が正式な行政文書と認め、「放送法文書 総務省が作成」とし「総務省は7日、放送法の政治的公平性をめぐる首相官邸側と総務省側の安倍政権下のやり取りを記したA4計約80枚の内部資料について、すべて同省の行政文書と認め、公開した」と報じた。

この総務省が認めた行政文書に対して、高市早苗経済安全保障担当相(元総務相)は「捏造」だと最も強い言葉で否定し、文書が「捏造」でなかった場合は議員辞職も辞さない考えを示したのだから一躍、時の人となった。



でもこの言葉はどこかで聞いた記憶があった。

そう、安倍元首相が森友問題で「私や妻が関係していたことになれば首相も国会議員もやめる」と関与を否定した。

また、財務省近畿財務局の職員だった赤木俊夫さんが公文書の改ざんを強要されたためとして自死し、最終的に財務省は改ざんの事実を認めたのだった。

従って、改ざんがあれば、捏造だってあるかもしれないと思いながら、しかし総務省は情報公開の本家本元、それはないだろうと情報公開制度の主務官庁としての責任と誇りを一方で、信じたいと思うのだ。

 

総務省が正式な行政文書と認めた文書は、法務省のホームページに掲載し

ここ000866745.pdf (soumu.go.jp)から誰でも、いつでも閲覧できる。

 

 

 

情報公開制度についてもホームページ上で「行政機関の保有する情報公開に関する法律」(平成13年4月1日施行)は国民に対し政府の説明責任を全うする観点から、行政機関及び独立行政法人等が保有する文書についての開示・請求権等定めており、国民に開かれた行政の実現を図るために重要な法律です。

と説明している。

ということで、岸田政権はとりあえず情報公開を急いだものと思われ、森友問題を抱えた財務省とはひと味ちがった。

 

早速、総務省のホームページを開き、行政文書の公開で検索すると令和5年3月7日付「政治的公平に関する文書の公開について」という一文が出てくる。

その文中の指示された箇所を検索すると今回公開された文書A4、78ページ分が出てくる。

毎年この季節に見かける白い小さな花



総務省が正式な行政文書として認めた冒頭の文書は「政治的公平」に関する放送法の解釈について(礒崎補佐官関連)『厳重取扱注意』が目を引く。

日時、場所、出席者が記されている。

こうしたレクは平成26年11月28日から平成27年1月22日まで5回開かれ、高市大臣レクをはさんで4回続いているからそのご執心ぶりがわかる。



礒崎補佐官の要旨は

①一つの番組では見ない、全体で見るというが、全体で見るときの基準が不明確ではないかということ。

②一つの番組でも明らかにおかしい場合があるのではないかということ。

の2点を挙げ、2~3日にとは言わないが、選挙後にでも考えを聞かせてほしいと比較的柔らかな表現だ。

 

しかし、補佐官の際どい切り込みも記録されている。

例えば平成26年12月25日レクメモには補佐官の発言として

 

〇(極端な事例として挙げられている)「総合的な検証をも要さない事例」では答えになっていない。

これでは抽象的過ぎて分からない。

もっと(補佐官の)意に沿ったものを持って来てほしい。

ここで抵抗しても何のためにもならない。

 

〇この部分は昭和39年の答弁以来明確にせずに(逃げて)来た部分なんだろうが、極端な事例はあることくらいは認めるべきだろうと恫喝的だ。

ニワウメの花



総務省2月13日付文書「高市大臣レク結果(政治的公平について)」
は平成27年2月13日(金)15:45~16:00に行われた。

A4一枚にまとめられているが、省内での比較的穏やかなレクの雰囲気が伝わってくる。

 

 

レクの模様をA4、1枚にまとめたこのような見事なレクメモは初めて見た。

地方公務員でいたころ、官僚出身の市長がよく一枚にまとめろと言っていたことを思い出した。

高市大臣の「テレビ朝日に公平な番組なんてある?」という発言など省内での大臣レクにおける本音が出ているみたいで、とても「捏造」したという風には受け取れないのだが。(続く)

 

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決め手は蓄電池!! 再生可能エネルギーを主力電源に。(岸田政権の原発政策を問う その2)

大型太陽光発電パネル


では解決策に移ろう。

こうした原発の危険性がある以上我が国の主力電源は、太陽光、風力、地熱などの再生エネルギーの最大化しかないということだ。

他国の天然ガスや石油・石炭などの資源エネルギーに頼ることなく、日本の立地を生かす再生可能エネルギーに対して総力を挙げて研究、開発、連携し実行あるのみなのだ。

 

確かに問題点は山積している。

それでもなお、原子力発電は補助電源という位置づけにしかなりえないと定義すべきだ。

 

こうした時に挙げられている問題点を整理すると

①再エネの不安定性だ。

太陽光も晴れた日ばかりではない。

風力だって風の強い日ばかりではない。

太陽光や風力が発電しすぎて、受け入れを中断せざるを得なくなることもある。

電気は使用量(需要)と発電量(供給)を一致させる必要があり、このバランスが崩れると大規模停電がおこるという。

 

②この不安定性を補完するために、蓄電池が有効であり、非常時の家庭用蓄電池の購入は進んでいるように見えるけれど、大規模蓄電池の開発状況や具体的な開発・展望、配置計画など国民への説明ができていない。

リュウキンカが一斉に



2022.6.11の朝日新聞に「余った太陽光発電を蓄電池に」という記事があった。

九州電力と三菱商事、NTT傘下の企業が蓄電池を使った共同事業を始めるとあった。

九州では太陽光の発電量が増え、電気を使いきれない日が増えている。

余った分を蓄電池にためて有効に活用する。

発電量が天候に左右される再生可能エネルギーの拡大には蓄電池の整備が欠かせず、将来的には全国に広げる考えだ。と記事には出ていたが、今更感がぬぐえない。

そして、今回は政府から蓄電池の価格の3分の1にあたる1億1700万円の補助金を受けるということがあったけれど、そんな金額でこの国の主力電源を考えているのかと情けなくなる。

ハボタンはもう終わり



一方で、基本電源を再生可能エネルギーにと一度は軸足を移したかに見えた岸田政権は、このところ原子力発電への回帰に向けた姿勢が強く見える。

しかし、原子力発電所の新設は今や一基1兆円を超えるといわれている中、再生可能エネルギーの最大化には一体いくらぐらいかかるのか、その損得勘定をもっと具体的に丁寧に説明すべきだ。

 

③そして、もう一つの大きな課題は8電力体制で維持されてきた地域電力体制の弊害である。

2022.3.24朝日新聞によれば 「電力地域間融通に不全」として、地域間で電気を融通する仕組みが十分な役割を果たせなかった。

大手電力会社の管轄エリアをつなぐ連携線の容量を増やすことが課題となる。

地域間で電気を融通する連携線の弱さはこれまでも指摘されていた。

国内の送電網は大手電力会社が地域独占のもと、それぞれ整備をしてきた。

会社を超えて大量の電気を送ることはあまり想定されてこなかった。

 

その問題が表面化したのは2011年3月の東日本大震災だ。

多くの発電所が止まり東日本は深刻な電力不足に。

西日本から電力を送ろうとしても難しく東電は32回の計画停電を実施した。

 

18年9月の北海道地震では道内最大の火力発電所が停止した。

本州から緊急送電したが不足分を補えず、北海道はブラックアウト(全域停電)した。

連携線の増強は再生可能エネルギーの導入拡大のためにも不可欠だ。

プリムラ

太陽光発電や風力発電の適地は北海道や東北、九州と言った地方に多い。

地方で使い切れない電力を人口の多い首都圏や関西圏に送れるようになる。

と書いていたが、この問題も今さらながらではある。

この10年、国は何をしていたのだろうかと思ってしまう。

構造的に大手電力会社の意向を重んじている姿勢は何ら変わっていないのだ。

原発政策から転換できないのも、そんな政財界の癒着構造の帰結のような気がして仕方がない。

ラッパズイセンの群落を見つけた



日本の電源構成の比率は 2020年を見ると

一位 火力発電 76.3%(内天然ガス51.1%、石炭40.6%)

二位 再生可能エネルギー 19.8%

三位 原子力発電 3.9%という。

 

漫然と火力発電に頼り、天然ガスと石炭の輸入に頼ってきたと言わざるを得ない。

再生可能エネルギーの利活用を促進する方策を基本に据え、国民に具体的な達成手順を示すべきだ。

 

ドイツでは2030年に太陽光など自然エネルギー電力拡大目標を総電力消費量の少なくとも80%と定めるという「再生可能エネルギー法」を改正(2022.7月)したという記事をネットで読んだ。

また、東京都は建物を新築するときには原則として太陽光発電パネルを取り付けることを義務付け、年間着工数の約半数が設置義務の対象となるという。

補助金額は1kwあたり12万円、上限36万円だ。

また、既存住宅についても1kwあたり15万円を補助するとしている。

 

国はこうした具体的な取り組みに対して積極的な支援策進め、再生可能エネルギーの主力電源化への決意を国民に示すべきなのだと思うのだが、なぜできないだろう。

岸田さんには、明確にわかりやすく説明してもらいたいと強く思う。

 

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岸田政権の原発政策を問う

 

3月11日、あの東日本大震災から12年目を迎えた。

本当に月日のたつのは早いものである。

それでも未だに避難者は3万1千人に上るという。

その9割は福島第一原発事故が発生した福島県の避難者である。

いかに、原発の持つ重大性が内在していたかがわかったはずなのだが、一方で喉元過ぎれば熱さ忘れるという喩えが教えてくれるように、国民の意識から原発事故の教訓は忘れ去られつつあるように思う。

 

東日本大震災が発生した時の菅直人元首相や、自民党をぶっ壊すと一時代を築いた小泉元首相がそろって日比谷公園での集会に参加し、原発の危険性を訴えたというニュースもあったが、「去る者は日日に疎し」か、かっての神通力はなさそうだ。

 

乙女椿


先月18,19日に実施した朝日新聞全国世論調査(電話)結果が発表された。

それによると原発再稼働について、「賛成」51%  「反対」42% で、東京電力福島第一原発の事故後、初めて「賛成」が過半数になったとあった。

原発の再稼働に対する賛否は東日本大震災のあと、おおむね賛成が3割前後、反対が5~6割で推移したとある。

 

昨年の調査で賛成38%、反対47%と差が縮まり、今回初めて賛成が反対を上回った。

今回の調査で政策転換の柱である新規建設のうち、原発の「建て替えを進める」ことへの方針転換の賛否を聞くと、賛成45%、反対46%と拮抗した。

 

光熱費の値上がりによる生活への負担感を聞くと、「負担を感じる」が81%、「それほどでもない」は18%だった。

 

このところの光熱費の高騰は異常である。

2021年4月と2022年10月を比較すると「3倍近く」の価格に高騰している。

 

そして、政府はこの事態を利用してといっても言い過ぎではないと思うが、原子力発電所の再稼働に向けて前のめりになっている。

まず、2022年9月26日、原子力規制委員会のメンバーを交代させた。

前任者の更田委員長と4人の委員である2012年の制度発足以来のメンバー全員が交代した。

 

今年2月26日の朝日新聞社説によると、原子力規制委員会が60年を超えた原発の運転を可能にする新制度を認めた。

政府の方針転換に足並みをそろえた性急な決定で、独立性が疑われかねない。

原発事故の教訓を学んで生まれた規制機関として、存在意義の根幹が揺らぐ事態だ。

記者会見で進め方を問われた山中伸介委員長は、「法案提出というデッドラインは、決められた締め切りでやむを得ない」と説明した。

驚くべき発言だ。

原発復権を急ぐ経済産業省が主導する日程を優先し、規制委の議論を尽くさないのであれば「推進と規制の分離」は絵に描いた餅に終わる。

と、社説は問題点を指摘した。

 

この原子力発電所の60年超の運転容認の規制委員会の議論について、5人の委員のうち1人が「安全側への改編とは言えない」として反対したが、議論が予定の1時間を超え、委員長は「根本が食い違ってしまった」と多数決を実施したという。

馬酔木



しかし、ちょっと待ってほしい。

東日本大震災が発生し、福島第一原発が大爆発を起こし、12年目を迎えた今でも3万人以上の避難者がいる現実があるのだ。

規制委員会の組織理念には「福島原子力発電所の教訓に学び、二度とこのようこのような事故を起こさないために、そして我が国の原子力規制組織に対する国内外の信頼回復を図り、国民の安全を最優先に、原子力の安全管理を立て直し、真の安全文化を確立すべく、設置された」と書かれている。

ところが、1時間の議論で多数決で決めるとは国民の安全を最優先にという言葉が泣いている。

 

それでは今一度問題点を整理してみよう。

まず、原子力発電の何が問題なのだろう。

その一つは、原子力発電には絶対の安全性が前提となるが、そのことは究極、最悪の危険物だということが言える。

そのため、人為的な事故や偶発的な事故、自然災害による事故やテロや戦争での標的にされる場合などにおいて、車社会の車の安全性や飛行機事故の安全性、新幹線の安全性などと同列に論じられる安全性ではないことは当然のことだ。

 

いわゆる原発の安全性は究極の安全性でなければならないと私は考える。

そうした観点から言えば、この狭い日本に原発の適地などありはしないのだ。

もしどうしても推進したいのであれば、東京都や大阪府や愛知県にも率先して原子力発電所を作って、安全であり危険性はないことを国民に説明すべきではないか。

国民もさらに原発再稼働を進めるべきだというなら、その決意をもって「賛成」を示すべきだと私は思う。

 

二つ目は原子力発電所から排出される高レベル放射性廃棄物(核のゴミ)は安全になるまで10万年かかるという。

10万年先の安全性を担保するような議論こそ無責任極まりないことだと私は思う。

この廃棄物の処分場予定地として、北海道や鹿児島県の弱小自治体が補助金目当てに手を挙げているけれど、このような実態を為政者は正しい目をもって眺めてほしいと思う。

そして、今、政府が前のめりになって進めようとしている原子力政策が安定電源、脱炭素化として一定の成果を発揮するのは10年以上先のことであり、現状起きている電気料金の高騰の解決策にはならないということを説明すべきなのだ。(続く)

 

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電子クーポンの結果はいかに。五爺が行く山形食べ歩き飲み歩きの旅(その4)

昭和館朝食 紅花ご飯がおいしかった



フロント担当者が来るまでに、県民割入力の何が問題なのかということを説明しておこう。

クーポンに張り付けてあるQRコードをスマホで読み取ると入力画面が現れる。

そしてクーポン券受け取りカードのアクセスキー欄をスクラッチすると、アクセスキー番号が現れる。

このアクセスキーを画面の入力画面に入力すると¥1,000の表示が出てくる。

そして、この画面を保存するということが分からなかった。

自宅に戻って冷静になって検索してみると画像を長押しして「画像の保存」を選択するあって理解した。

ブックマークするというのもよく出てきた。

数枚のクーポンが同じ画面に保存されていたのは偶然にブックマークされていたのだろうか。

言葉の意味が基本的にわかっていないので理解は全然深まらない。



1枚はできたけれど、2枚目に移ると1枚目がどこかに行ってしまうという現象に悩まされた。

もう一つは、10枚分をひとまとめにする合算という方法が最後まで分からずにお手上げになったのだった。

 

食事は午前7時30分から、バス出発時刻は8時25分で55分間だ。

実質40分、食事時間を引くと10分か15分しかないのだ。

バス停までは宿の車で送ってくれるというけれどと思いながらフロント担当を待っていたら、昨夜の支配人風の男性が7時過ぎにやってきた。

「このクーポン券の操作ができなくて」と声をかけるも「ちょっと待ってください。」と開店準備のカギを開けたり電気をつけたり、やることは多い。

やっとフロントの位置についてくれた。

 

差し出したクーポン受け取りカードや我々のスマホに触りながら彼は

「スマホもいろんな種類があるから、やり方が違うんですよ。

ボタン一つとっても位置や形が違うから、私と同じ機種ならできますが、分かりませんねえ」と非情な言葉だった。

私たちも腹立ちまぎれに「こんなのできない人ばかりでしょう。」と叫ぶも、

「皆さん、できていますよ。困ったということは聞いたことがありません」という。

食事も迫っており、とりあえず、画面に出ている2件だけはできるだろうと引き上げたのだった。

 

部屋に戻って、引き続きスマホをいじっていたら弟が

「ここで全部使うことはないよ。できた分だけ使い、後は山形駅までに入力すればいいんじゃない」と言った。

その元校長の冷静な言葉を聞いて我々スマホ部隊は一安心した。

そうかそういう方法があったのだ。

ここでやりきらないと紙切れになってしまうと焦っていたのだったが、そんなことはないのだ。

急に元気が出て、みんな笑った。

 

ただ、いつもは朝酒をやるのだが、そんなことは全く忘れてしまっていた。

急いで朝食をとり、再度フロントに降りた。

今度は女将さんもいた。

とりあえず、画面に残っている分について精算するために、お店に表示してある二次元コードを読み取り支払い完了した。

ただ合算できていないので、1件ずつ精算していくことになったが、私のスマホの中には、あれこれ入力を重ねたアクセスキー番号が数件残っており、次々と表示することができて、短い時間の中でBちゃんとともに6件の精算を完了したのだった。

この間、女将さんは昨日の優しい表情とは打って変わって、そばで、

「できるできる、もう一件、もう一件」と強く励ましてくれた。

大石田駅に向かう路線バス



バス停まで支配人風のフロント係が運転手をしてくれた。

我々もすっかりご機嫌になり、「昨日はあらきそばを食べに行ったんだよ」と言うと、彼は「あの蕎麦をねえ。私はだめです」と顔をしかめた。

そして「あれはあれで好きな人は大変好むんだけど、一度食べたらもういいという人もいて評価が分かれるんですよ」と少し丁寧に付け加えた。

その感想に私も同感だった。

 

大石田駅も雪の中、屋根の上で保線区員が雪下ろしをしていた


銀山温泉からはほぼ満席の路線バスに乗って大石田駅に向かった。

まさに雪国、時々、地域の高齢者を乗せながら路線バスは軽快に走った。

大石田駅も雪が深く、保線区の職員がホームの屋根に上り、雪下ろしをしていた。

 

大石田駅発9時53分、山形駅着10時43分。

それからお土産を購入。

もちろんクーポン券の利用はもう慣れたものだった。

 

お別れ会は山形駅構内「澤政宗」。

偶然入ったけれど、フグ皮ポン酢、きくわた(たら白子)酢、芋煮など酒飲みにはたまらないあてだった。

きくわた酢

みんな食べた芋煮汁



H君は大好きなカキフライをここでも注文。

10回目のいとこ会男子部の五爺のみんな上機嫌で、打ち上げた。

来年は京都でどうかと幹事となる弟が提案し、全会一致で京都に決定。

山形空港行バス停まで見送られて、さよなら、さよなら、さよならと別れた。

東京組に見送られて山形駅を後に



帰宅して、このブログを書くにあたって山形旅割キャンペーンのサイトを閲覧した。

そうしたら電子クーポンのご利用方法が出てきて、動画で一部始終を丁寧に説明していた。

これをはじめに知っていれば、、、


コールセンターでも、旅館でもこういうサイトをはじめから紹介してくれていたら、もっと有効に時間が使えたのではないかと補足しておきます。

 

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東南アジア系ギャルに乗っ取られた銀山温泉。温泉情緒も何もあったもんじゃない  五爺が行く、山形食べ歩き、飲み歩きの旅(その3)

おなじみの銀山温泉の夜景だが、、、

 

今夜の宿泊先銀山温泉「昭和館」に連絡すると送迎バスが新庄駅まで来るということで、新庄駅で今回の旅行の話題を振り返る。

少し時間があったので、お酒の銘柄に詳しいMちゃんの山形推奨酒「出羽桜」吟醸4合瓶を売店で買う。

そして弟の持っていた柿の種を肴に時間を過ごす。

駅中での五爺の宴会は冷静になってみると顰蹙ものだっただろうとこのブログを書きながら反省した。

それから迎えの旅館のバスに乗り込んだ。

 

バスが山の中に入っていくとボタン雪が強く降ってきた。

チェックインは3回目以降のワクチン証明書と免許証などの身分証明書を提示してテキパキと進んだ。

昭和館客室


部屋は12畳くらいの和室だった。

すぐに銀山温泉の旅館風景を鑑賞に出かける。

 

足湯に若い二人連れの女性が太ももまでたくし上げて浸かっていた。

ギャルやカップルが非常に多い。

高齢者はほとんど見ない。

銀山温泉 散歩で見かけた雪景色



旅館を実質仕切っていた支配人風の男性が、今は台湾をはじめ東南アジア系を中心とする外国人宿泊者が9割を占めると言った。

昭和館は今日は日本人が多くて、10組中3組が日本人だと言った。

確かに、いわゆるかつての温泉情緒は感じられなかった。

ただ、外国の方は温泉に浸かる風習もあまりないのだろう。

入浴時間は短く、浴室はだいたい空いていた。

 

部屋に戻ってから、山形チケット割のスマートフォン支払いの手続きにかかった。

五爺の中で、ガラ系の二人は参加できず、大御所のMちゃんはインターネットを見るだけ。

それで私とBちゃんが挑戦したが、これがうまくいかない。

業を煮やして、コールセンターに電話してみたものの、チンプンカンプンで終わった。

これでは10枚のクーポン券が紙くずになってしまうと一同に危機感が広がった。

 

ただ温泉入浴も大きな目的の一つ、クーポン券ばかりに気を取られているわけにはいかない。

急いで温泉に行く。

浴室は3名限定とあり大きくはなかったが、五爺は当然一緒に入った。

温泉は少し濁りのある熱めの温泉だった。

食事になるまで夜景に映える銀山温泉の景色を鑑賞するため再び外に出た。

降る雪、積もる雪の中に立つ銀山温泉の風景は確かに一枚の絵ハガキと一緒だった。

美人の女将さんが我々の集合写真を撮ってくれた。

 

食事となった。

食事会場には10組のテーブル席が用意されていた。

支配人風の男性がここでも一人でお酒や料理を運び、外国客には英語で食事を説明していた。

お食事はまあ普通の旅館料理。

昭和館夕食


山形牛の焼肉、鯉のあらいとサーモンの刺身などetc.

初めにビールで乾杯、酒は2合瓶の冷酒を10本くらいは飲んだだろう。

部屋にも3本空瓶があった。

 

食事のあと、フロントにクーポン券の入力について聞きに行くと、支配人風の男性はおらず別の職員が立っていたので、聞いてみると、「あー、クーポンのほうはフロントがやりますよ」と簡単に言ってくれたので一安心したのだった。

 

2月21日(火)今朝は五爺一緒の部屋で皆はやく目が覚めたようだ。

弟は午前4時30分ころに朝ぶろに行った。

5時過ぎに弟が戻ってきてから、Mちゃんが俺も行ってくると出ていった。

6時前にはみんな起きだした。

私もトイレを済ませ出てくると、Bちゃんがまた、「アニイ、アニイ、ドアが開けっ放しだよ」と閉めてくれた。

 

「すまんすまん、いつもドアが自動なもんで」と言ったけれど、ドアが自動ではなくトイレの蓋の自動開閉だったと発言の間違いに気が付いたけれど、Bちゃんも

「そうなのよね。家のつもりで流さないやつがいるんだよな」と話はそういう体験談に移った。

そうした中で、H君は堂々と眠っていた。小心な私は、県民割クーポンのことが気になっていた。

やまがた旅割の動画よりお借りしました。



6時30分過ぎに、県民割クーポンのスマホ入力担当になった私とBちゃん、そして幹事のH君と連れ立ってフロントに向かった。

昨夜、「フロントの人がやってくれますよ」と言ってくれた職員の言葉を信じていたが一抹の不安はあった。

フロントはまだ閉まったままだった。

我々3人はフロントの前を行ったり来たりして、辛抱強く待った。

何しろ10枚2万円分がかかっているのだ。(その4に続く)

 

 

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五爺が行く、山形食べ歩き、飲み歩きの旅(その2)

山形城のお堀


2月20日(月)朝6時過ぎにウオーキングに出る。

エレベーターを降りたら弟が立っていた。

4時30分ころ起きて走ってきたという。

弟は50代にはマラソンで3時間を切っていた。

マラソン校長としてテレビ取材も受けたことがあった。

 

ホテルの北側に山形城跡があると教えてくれた。

弟が教えてくれた通りに歩いて行くと、木立が見えたので進んでいくと城跡の石垣が見えてきた。

中に入っていくと意外に広い城郭の跡地が広がっていた。

調べてみると、姫路城より広い全国有数の平城とあった。

場内に建設された体育館の前で20人くらいの人たちがラジオ体操をしていた。

山形の方は大人しく、こちらから挨拶しても反応が乏しかった。

ゴミ拾いボランティアのおばさんは小さな声で「おはようございます」と返してくれた。

 

今日は最上川舟下りだ。

予定通り山形駅発8時42分に乗車した。

新庄駅まで行き、それから無料送迎バスに乗る。

今日は平日なので電車は空いていた。

昨日荒木そばを食べに下車した村山駅を過ぎたころ、幹事のHちゃんのところに電話がかかってきた。

幸い車内は空いているので、小さな声でHちゃんは話していた。

 

我々も耳をそばだてた。

「それは大変ですね‥‥いえいえ‥‥はい‥‥大丈夫です‥‥お大事にしてくださいね」こうした会話が切れ切れに聞こえてきた。

誰もが訃報でも入ったかと思うような会話だった。

電話が終わったとたんに皆が一斉に「なんだって!」と声を上げた。

Hちゃんは「船頭さんから電話があって、今日の舟下りは天候不良のため中止だって」とか細い声で言った。

最上川。こんな景色を見られるはずだった。


「なーんだ。てっきり訃報の連絡かと思ったよ」と皆口々に叫んだ。

 

それにしても、江戸時代から続いた大百姓を系譜に持つ社会福祉法人の跡取りとして育てられたHちゃんは悠然としたものだった。

私のようにこせこせとしていない。

私などだったら「今そちらに向かっているところなのに、そりゃあ切ないよ。」くらいはひとくさり言うところだけど、皆、Hちゃんの対応には感心しきりだった。

 

急遽の計画変更となったけれど、流石に今日のB案は予定していなかったようで、新庄駅に着くとすぐに市の観光案内所に向かった。

観光案内所では、せっかく、ここまで来たのだから最上川だけでも見て帰ろうと提案してみたが、歩いてはとても行けない。

タクシーで20分はかかると聞いて、皆すぐに断念した。

そこでお昼ご飯の美味しいところを聞くと即座に返ってきたのが「末広ラーメン」だった。

観光案内所一押しがラーメン店ということで、皆即決した。

末広ラーメンの看板。



末広ラーメンは新庄駅から歩いて10分弱のところにあった。

私が店の前に立った時、我らが同胞はすでに店内に入っていた。

中年の男性が新聞を片手に立っていた。

ちょっといかつい感じの人だった。

私は彼に「入らないんですか」と聞いた。

すると彼は「のれんが出ると開店です。」と柔らかい口調で教えてくれた。

私はすぐに入口の引き戸を開けて連中に「おいおい、まだ開店してないんだぞ」と大声を発した。

すぐにみんなが出てきた。

開店は10時30分。まだ10分ほどあった。次々と行列ができてきた。

10時30分過ぎに店の人がのれんを手に持って出てきた。

それを合図に五爺は入店した。



テーブル卓が3つほど、奥に座敷があったかもしれない。

のれんを出してきた40前後の中年男性が注文を取りながら

「中華そば、中華そば全部、全部、全部、ありがとう、ありがとう、ありがとう、ありがとう」と符牒のように連呼する。

何が何だかわからないままに我々のうち、4人はスタミナ(トリモツ)ラーメン、弟がメンマラーメンを注文した。

 

私はすぐに冷蔵ショーケースからビールを勝手に取り出した。

そんなことが許されるような雰囲気がお店に漂っていた。

Bちゃんが「アニイ、アニイ」とショーケースを開けっぱなしにした私を注意した。

すまんすまんと謝る。

ラーメンにはビールと私の頭はそのことで一杯だった。

新庄祭りがユネスコ文化遺産になったそうだ



厨房をのぞくと注文を取っている男性のお母さんのような方がラーメンを作っていた。

調理は女性陣の役割のようだった。

ラーメンができてきた。

透明感のあるスープに魅かれた。

ただ、トリモツ以外の具材は入っていない。

まったくシンプル。こんなラーメン食べたことない。

メンマラーメンの弟もメンマしか入っていないと言った。

 

そこでやっと理解した。

メンマラーメンにチャーシューとか入れたい具材を一緒に注文しないとメンマだけのラーメンになるのだった。

全部、全部、全部というのはチャーシュー、メンマ、トリモツなど全部入れるということが分かったのだった。

 

後を引かない、このすっきりした味わいのほどの良さは何ということか。

味や麺の触感などすべてにわたって押しつけがましくなく、媚びるでもない。

これは病みつきになるうまさだと思った。

次回訪れるときはぜひ全部全部全部を食べたい。

ありがとう、ありがとう、ありがとう、

そして写真を撮り忘れてしまった。

 

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