数日前、テレビで闇金バイトの強盗犯が警察に追われて走って逃げる姿を防犯カメラに捉えられている映像を見た。
しかし、闇金バイトの強盗手口の何と悪質なことか。
3~4人の若者たちはSNSで応募してきて、お互いは相手のことは知らない。
その手口はハンマーなどでガラス戸をたたき割って侵入して、家人を縛り上げ殴る蹴る、刃物で脅して金品を略奪する。
隣人などが物音に気が付き110番して、警察に追われることになるのだが、こんな犯罪で捕まらないはずがないような事件だ。
強盗罪は懲役5年以上、強盗致傷罪は無期懲役または懲役6年以上、強盗・不同意性交等致死罪は死刑または無期懲役という重罪である。
こうした重罪を背負うには、闇金バイトという呼び方も含めてまったく遊び感覚のような、軽はずみに見えてしまう行為は、やはり時代の変化なのだろうか。
人生を長く生きてきた老人には、こんなことに人生をかけるなんて到底できないのだが、はて?
街中に設置された防犯カメラや車のドライブレコーダーに監視され続けている中で、とても逃げおおせる犯罪ではないことは誰の目にも明らかなのに、なぜ、このような犯罪を犯そうとするのかと頭を抱えてしまう。
ただ、一方で平穏に暮らしている人々の前に、突然、暴力的な手段であらわれ、なすすべもなく蹂躙される苦痛、悔しさは耐え難いはずだ。
アメリカ人の銃社会を維持しようとする気持ちも少しは納得できる。
防犯カメラについては私が現役のころ、議会の委員会で、公園や街頭への設置について、野党委員にプライバシー侵害であると強硬に反論された。
あれから、20年以上過ぎた今では、防犯カメラがプライバシーを侵害するという論調はあまり聞かなくなった。
むしろ、安全対策として、特に通学路への設置が進み、家庭でも玄関などに設置されている。ただ、プライバシーの関係に留意して、「防犯カメラの設置及び運用に関するガイドライン」などを示している自治体もあるようだ。
犯罪に対して防犯カメラから収集された情報を広く公開することにより迅速な犯人検挙につなげることは安全安心な社会を守っていくための手段として、多くの人たちの賛同は得られると思うけれど、前述したようにプライバシー保護の観点も忘れてはならないと強く思う。
こうした時代の変化に伴う情報の公開とプライバシーの保護の観点から私が気になって仕方がないことがもう一つある。
それは、グーグルマップのストリートビューだ。
現役時代、仕事中に職員から「○○さん、こんな面白いものがあるのを知ってるかい」と当時、職員全員に配られたノートパソコンを操作して出てきた画面を見せてくれたのがグーグルマップの画面だった。
世界中の風景や個人の住宅がみられる画面で、知り合いの住宅をのぞいていた。
その時はこういうものがあるのかという認識だったが、その後、いろんな人から、「立派な家に住んでいるんですね」とお世辞にもならないことも言われた。
誰が見ても小さな建売住宅をリフォームして増築している、ささやかな住まいなのに、そんなことを言うかなと嫌な気持ちになった。
私にはそういう覗き見趣味はまったくないのだが、先日、親しい仲間と飲んだ。
一緒に仕事をした女性が美人で有能だったという話題になったとき、私をのぞく参加者のすべてが、あの人はすごい豪邸に住んでるよとグーグルストリートビューで確認していたのだった。
多くの人たちが、初対面の人に会うときや同窓会の前に同窓生の自宅をグーグルマップのストリートビューで検索しどの程度の暮らしをしているか確認しているのだと、この歳になって、その利用方法を知った。
調べてみると、こうしたことに関して、日本でもグーグルに対してプライバシー権侵害による損害賠償訴訟が提訴されたとあった。
1審、2審、最高裁においていずれも棄却されたとあったが、法律論はともあれ、自然体で考えて、人の家を勝手に写真に撮って公開するほうがおかしいと思うのだが、はて?
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