今年の5月電子レンジが壊れて買い替えた。
電子レンジ(オーブンレンジ)はこれまで何回か買い替えたが、最近はX社製を選んでいた。
シンプルで使いやすいという点でカミさんの評価が高く、カミさんの一押しだった。
いつもの家電量販店に行くと、X社と家電量販店の共同開発と銘打った電子レンジがあった。今まで使っていた機種の後継機と思われ、設置する場所の寸法だけ確認してほとんど考えることもなく即座に決めた。
数日後、販売店から電話がかかってきた。
買った時の担当者だった。
「その後、電子レンジの調子はどうでしょうか」と問い合わせてきた。
大変親切な対応に、こういう販売員が腕利き販売員になるのだろうとその時は感心した。
しかし使っているうちに、以前使っていた電子レンジに比べて温度が高くなり過ぎることに気が付いた。
温めスタートでご飯を温めても、熱すぎて固くなる。カチカチでとても食べられない。
これは使い物にならないと電話したら、すぐに代わりの品を持ってきてくれた。
納品の際、実際にご飯を温めて加熱具合を確認した。
ご飯の温めに関しては少し時間がかかりすぎる以外は問題なく、一安心した。
納品に来た社員によれば、これは、いわゆる当たりはずれで、外れの商品に当たったのだろうとのことだった。
しかしさらに使ううちに次々不具合が見つかった。
全般に過熱しすぎる。
レンジ機能だけではない。
大好きな殻付き落花生をもう一度乾燥させるため、オーブンレンジのオーブン機能を使っていたが、以前と同じ温度、時間に設定してもピーナツが黒く焦げ、激しいものは炭化していることもあった。
カミさんは自動にしても電子レンジのそばで監視し、途中で加熱具合を調整するようになった。
何のための自動なのか?
これは一度、販売店に相談してみないといけないと話していたら、9月に息子が電子レンジの底面にひびが入っていることを見つけた。
その少し前に、自動機能で野菜を加熱していたところ、少しはみ出したラップが溶けてレンジの底にこびりついてしまったことがあったという。
明らかに加熱しすぎだ。
過熱状態になって、たぶん強化ガラス製の底が割れてしまったものと思われた。
そこで販売店に連絡すると担当者は現在、接客中というので、責任者に電話してほしいとくぎを刺しておいた。
その後男性社員から電話があった。
メーカーのX社に相談するとの回答だった。
翌日、昨日の男性社員から電話がかかってきた。
X社の了解が取れたので交換に応ずるということだった。
しかし、現場の状況や現物の確認もせずに交換に応ずるという回答に釈然としないものを感じた。
そして、交換についてはX社製に限らず、価格の差額分を調整してもらえればどのメーカーのものでもよいということで、今日中に交換に行くと伝えた。もとよりX社の製品を選ぶつもりはなかった。
販売店に到着して、昨日の社員の名前を告げて待っていると、「○○主任は接客中なので私が対応させていただきます」と男性社員が出てきた。
常に笑顔を絶やさず、愛想よく応対する。
多分この人はクレーム対応専門の社員だろうと思った。
確かに客の発言に100%の姿勢で答える。
決して嫌な顔をせず、ご無理ごもっともという徹底した姿勢である。
この社員が出てきたら、もう許してやらないとと思わせてしまう。
クレーム対応のプロだと思ってしまった。
ただ、会話の途中で、まだ陳列されている商品をみて、「これは欠陥商品だなあ、まだ置いているのが信じられんよなあ」とつぶやいたが、それには何も答えずに、今回希望した商品の寸法などカミさんが確認しようとしたことに専念していた。
そんな涙ぐましい彼の態度に、クレーム対応に苦労している我が息子のことも思い出して、もうそれ以上触れることはやめた。
新しい電子レンジは東芝製にした。
東芝を選んだのは先年買った洗濯機が実に具合がいいからだとはカミさんの弁。
大変快調に動いているが、今の電子レンジなんてこれが普通だと思う。
東芝は上層部のゴタゴタがニュースをにぎわしているが、製造部門はしっかりしていると再認識した。
しかし、この一連のことから、問題点を箇条書きすると、
①まず、当初から販売担当者がこの製品の問題点に気が付いていたということ
②だから、担当者は製品の具合を確認するために電話してきたこと
③実際に故障が発生し製品のことを伝えると即座に対応したこと
④実際の故障の状況や現物の故障の状況を確認もせずに、他社メーカーも含め交換に応じたこと
⑤これだけの対応が取れるのにいまだに販売していること
この製品に問題があることを認識していながら、いまだに販売していていいのか、これは変だ、これでいいわけがないではないか。
車なら即リコールものだ。
本当の事故が起こってからでは遅すぎる。
企業倫理に関する問題については最近でも、みずほフィナンシャルグループの繰り返し発生する原因不明のシステム障害や三菱電機の品質や検査の不正、トヨタ系列販売会社の不正車検など日本を代表する企業でも続いて発生している。
この問題もそのようなことにならないようにと、老婆心ながら小さな声を上げた次第です。
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