最近お墓事情

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70歳を過ぎて、クラス会に集うとたいていお墓の話になる。

出席者は20人程度だがその内数人は墓じまいの経験を語る。

私も江戸時代から続く田舎の株内の大きな墓地に残った、カミさんのところの墓所の整理(墓じまい)に立ち会った。

 

この大きな墓地の所有者の名義はカミさんになっているそうだ。

しかし、田舎の先祖伝来の墓地など財産価値は全くない。

逆に墓じまいともなると、江戸時代からの墓石が数十あって、それを寄せてお性根抜きをする、工事費や供養料などたいそうかかった。

 

そしてせめて父母と祖父母の遺骨は身近なところでお参りしたいと、近くにできた永代供養墓にお願いした。

 

先日、一周忌の義妹の納骨式があった。

 

 

義妹には娘が二人いたが、一人は病身で動けず、未婚の次女が二人の伯母に支えられながら小さな葬儀をすませ、葬儀社に紹介されて母の墓所を永代供養墓にすると決めた。

納骨式の当日も次女は健気に祭主を務めた。

参加者は我々夫婦と妹夫婦を合わせて5人だった。

 

墓地は急な坂を登った山の中腹にあり、葬儀社2人と墓地の管理人計3人で待っていてくれた。

一般の墓地の奥まったあたりに「絆」と金文字で書かれた大きな永代墓があり、裏側に扉があり納骨堂の中には棚に沢山の骨壺が置かれていた。

3年たったら、地下の土の上に共同埋葬するのだそうだ。

墓所にはお墓の代わりに名前、年齢と死亡した日と戒名を記した銘板が並んでいた。春には桜が見事に咲きますと葬儀屋と墓地の管理人が説明してくれた。

 

墓石の花立には葬儀屋が用意したお花が活けてあった。

もちろん納骨費用の中に入っていたのだが、我々も用意していた。

墓石は見事なお花で飾られた。

 

毎月1回お坊さんが読経をあげてくれるという。

なかなか行き届いた配慮に感心した。

 

カミさんの祖父母と両親をお願いした永代供養墓にはこのような配慮はない。

墓地の経営者の方針でだいぶ違う。

私のところは元々仏具販売店が開発した墓地で、見た目にきれいな墓地公園のような管理が主体となっているが、今日の墓地は墓地に入る人の気持ちや参る側の人の気持ちを大切に考えて様々な工夫をしているように見受けられて大変好感を持った。

 

そういえばNHK年末スペシャルで放映された「樹木葬 桜の下のあなたに」を思い出した。

桜の木とその下に咲き乱れる草花の中に散骨する永代供養墓地にお参りする人たちの話だった。

散骨の場所は決まっているわけではなく、樹木葬墓所区域の気に入った場所に散骨するようだった。

従って墓石はない。

大きな記銘石に散骨者の氏名が記されていた。

参拝者が「あの辺だったかしら」と話すのが新鮮だった。

 

一年中お花に囲まれて、大勢の人たちにお参りされてにぎやかでいいなあとカミさんと話した。

 

人口減少、少子化が進んでいく時代、お墓を守ることはたやすいことではない。

新しいいろんなお墓の有り様を勉強して、自分らしい死後を描くのがいいのではないかと思った。

 

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