ロシアのウクライナ侵略は、結局「長い物には巻かれよ」ということになるのか。

院展より

ロシアのウクライナ侵攻が混沌としてきた。

始まったのはもう2年前になる。

2022年2月24日、それは突然始まった。

この21世紀に他国を武力で侵略するなどということが許されてなるものか。

それも国連常任理事国として国際社会に責任ある立場の国家のロシアのはずである。

この侵略行為に、いわゆる西側NATO諸国は一斉に反発した。

ロシア・プーチン大統領はこの侵略行為を、あえて特別軍事作戦と銘打って、戦争ではない、ウクライナ領土であれ、ウクライナ政府の横暴に抑圧されている住民を保護する行為だと強弁した。

 

ウクライナは独立国家として自立する以前には、ソ連邦の一員として存在していた。

ロシアから言えば我が同胞のウクライナが、なぜ離反するのか。

プーチンにとっては到底受け入れられない存在を、「元に戻すこと、それだけなんだよ」と軽く脅せば言いなりになると思っていたに違いない。

ところがおっとどっこいだった。

 

数日もあれば首都キーウは陥落すると踏んでいたが、豈はからんや、戦端以来2年が来ようとしている。

 

ロシアのウクライナ侵略が始まった直後、国連のロシア非難決議は193ヵ国中、

賛成141ヵ国、

反対5ヵ国(ベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、ロシア、シリア)、

棄権35ヵ国、

無投票12ヵ国だった。(2022年3月2日)。

 

そしてほぼ1年後の2023年2月23日の国連総会決議でも193ヵ国中、

賛成141ヵ国、

反対7ヵ国(ロシア、ベラルーシ、北朝鮮、エリトリア、マリ、ニカラグア、シリア)

棄権32ヵ国、

無投票13ヵ国で、各国の対応にほとんど変化はなかった。

 

この間プーチン大統領・ロシアにとっても動員兵の国外脱出が相次いだり、侵略戦争開始後にロシア軍に取って代わったような活躍を見せた、ワグネルを率いたプリコジンの乱と暗殺などロシアの行方には暗雲が垂れ込めていた。

 

しかし、この戦争の摩訶不思議さは、戦争を仕掛けたロシアの側はウクライナ領土に対して、やたらめったらに攻撃を仕掛け、ウクライナ側は基本的には自国の分捕られた領土内だけで、戦闘を行っている。

決してロシア本国への本格的な攻撃は許されないのだ。

それはロシア本国への戦闘行為が核戦争につながることを恐れるアメリカ合衆国の言いつけを、武器供与の約束の代わりに守らざるを得ない悲しいウクライナの立場なのだ。

2024年1月1日、日本晴れの岡山後楽園「延養亭」、夕方能登大地震が発生した



こうした状況の中で様々な評論家や解説陣がウクライナの反転攻勢を予測・予言して見せたが、ロシア側の強力な地雷原や兵隊の命を顧みずに繰り返す突撃攻撃、さらにアメリカ議会のウクライナ予算の凍結、NATOやEUの支援疲れ、さらにイスラエルで起こったハマスの人質作戦による戦争状態の長期化によりアメリカ政府にイスラエル支援の負担が重なったことなどで、ウクライナ軍は守勢を余儀なくされつつあるのだ。

特にハマスのイスラエル人質作戦などは、多分、ロシア側に与する陰謀、陽動作戦と思われて仕方がない。

 

冷静に考えてみれば、ロシアには石油などの豊富な資源と自給率100%の豊富な食料がある。

また広大な国土とウクライナとの約4倍の人口差(ロシア約1億6千万人、ウクライナ約4千4百万人)がある。

世界一の核保有国でもある。

1対1では到底勝ち目のない戦だった。

けれど、国連加盟国の圧倒的な支持や、どのような理屈をこねようとも21世紀時代に他国への侵略戦争を許すまじという主張はもっともなことだった。

 

されど、2年もの長期にわたる戦争、出口が見えない戦争に支援各国の立ち位置は微妙に変わってくる。

まして、アメリカ合衆国の大統領選の行方はトランプ大統領が現実味を帯びてくるということであれば、もはやゼレンスキーのウクライナに希望は無くなるのは当然と言えば当然だ。

ロダン「考える人」、何を考えているのか



私の父親は、旧陸軍士官学校を卒業し、上海事変、太平洋戦争に従軍し、陸軍少佐で終戦を迎えた。

私が小中学生のころ、日米安保条約の批准で国論を二分する反対運動が起こったが、新聞を読みながらよく「寄らば大樹の陰よ」と言った。

長いものには巻かれろ、強いものには巻かれろなどともいう。

若い頃には強く反発したものだった。

この侵略戦争でウクライナが中途半端な形で和平を結ぶような結果になるとしたら戦死者だけでなく、亡くなった多くの民間人はまったくの犬死ではないか。

しかし、開戦当初で白旗を上げてしまったのでは国民は納得しないだろう。

迷いは尽きないけれど、勝てる見通しが立たなくなった段階ではゼレンスキー大統領はアメリカかイギリスに亡命するしかないだろう。

臥薪嘗胆という言葉もある。

 

プーチンが亡くなるまで、西側の経済制裁によるロシアの疲弊とプーチン後を待ち、捲土重来を期すことを頭の片隅においてほしいと老人は思うのだが。

 

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