カープファンと言っても、恥ずかしながら私は強いときだけのカープファンで、弱いカープにはほとんど傍観者であり、カープファンなどと大きな声で言えたものではない。
カープの歴史の中で、これまでに私が燃えたのは、1975年ルーツ監督から古葉監督に替わって、山本浩二と衣笠祥雄などを擁して球団初のリーグ優勝を果たした時代だった。
日本シリーズではパリーグ上田監督率いる阪急に4×0で敗北した。
以降上田阪急は日本シリーズ3連覇を果たした。
古葉監督時代は11年間続き、4度のリーグ優勝、2度の日本一に輝いた。
また11年間に9度のAクラス入りを果たしており、古葉監督は名監督と謳われ、我が息子も赤ヘルを被り、「カープ、カープ、カープ、広島、広島カープ」と声を張り上げていた。
この時代、家族で岡山球場や倉敷マスカット球場に応援にいったものだった。
その後、1986年阿南監督、1991年山本監督、2016年~2018年緒方監督がリーグ3連覇したが、いずれも日本シリーズでは敗北した。
こうした中で、コロナ禍の4年間、佐々岡監督の下ではBクラスを低迷した。
無理もない。
2019年3番打者丸佳浩が巨人に移籍し、2022年4番打者鈴木誠也が大リーグカブスに去った。
そして、今年新井新監督が誕生したが、巨人に岡本が、ヤクルトに村上が、阪神に大山が育つ中、広島の出遅れ感、小粒感は否めず、魅力は乏しかった。
ところが、ヤクルトとの開幕3連戦は3連敗したが、次の阪神戦は1勝1敗、巨人3連戦では3連勝し息を吹き返した。
ということで、
3月0勝1敗、
4月12勝11敗、
5月13勝11敗、
6月14勝8敗、
7月13勝8敗、
8月1勝1敗(2日現在)で現在セリーグ順位は2位につけている。
そして驚くことに
7月10連勝、
6月6連勝、
5月4連勝・3連勝2回、
4月5連勝・3連勝と連勝街道を続ける一方、
連敗は開幕時4連敗したが、その後は3連敗にとどめているのだ。
連勝はできるところまで続け、連敗は極力しないという勝負の鉄則を地で行っている。
こんな新井カープを誰が予測していたかとネットで探したら、世間は広い、やはり指摘した人がいた。
元巨人のショートで活躍し、監督としてはヤクルトスワローズや西武ライオンズを率いて、それぞれリーグ優勝・日本一に導いた球界大御所の広岡達郎氏のコラムがあった。
広岡氏は現在91歳になるというから、多くの人からは雲の彼方の存在だろう。
けれど、彼の野球眼が確かなことは日本プロ野球史上、両リーグで日本一を果たした監督は、三原修、水原茂、広岡達朗の3人しかいないことでもわかる。
さて、そのコラムの冒頭で広岡氏は「今年のカープはV争いに加わってくる」と予言していた。
その理由として最初に挙げたのは、新井監督が苦労人、努力の人であるということだった。
1998年にドラフト6位でカープに入団し、2000年から8年連続2桁アーチを記録し、2005年には43本塁打でタイトルを獲得、2007年オフに阪神に移籍した。
この移籍でカープの本拠地ゲームではブーイングを浴びた。
2011年には阪神で打点王も獲得した。
2014年に古巣のカープに戻り、メジャーで活躍した黒田博樹投手とともに2016年リーグ優勝に貢献した。
史上初めて2000本安打、300本塁打、リーグMVPを同一シーズンに達成した。
こうした点から広岡氏は
「彼は貴重な経験をしてきた。とりわけセンスがあるわけではなかったが、努力と練習量でレギュラーを手にした、たたき上げだ」と高く評価していた。
そして、広岡氏があげていたもう一つのポイントは機動力野球の復活だ。
佐々岡監督の昨季の盗塁数は26個。
阪神近本は一人で30個と比較された。
今季のカープは8月3日までに53個に達している。
昨季の倍以上の盗塁数に達している状況は監督の決意の表れと言っても過言ではない。機動力野球の復活が打力をカバーしていることは間違いない。
新井監督の特徴は固定観念にとらわれることなく、大変柔軟な選手起用をすることだ。
例えば、4番バッターにこれまでは、主に控えで使われてきた上本選手を抜擢し、つなぎの4番、極上のバントのできる4番の役割を見せつけた。
栗林投手が脱落した時は、矢崎投手をクローザーに指名し、セットアッパーにターリーや島内、栗林などを起用し、リリーフ陣の勝ちパターン方程式を確立した。
また、特に内野陣については適時的確に、菊池、小園、田中、矢野、羽月など単打打線を組み合わせながら日替わりで配置し、守備と走塁を重視したチーム編成をしている。
いつの試合だったか、野間が2塁に行ったところで、代走を矢野に代えた。
野間の走力は定評がある。
その野間に代えて矢野だ。
首をひねったのは私だけではなかろう。
その矢野は3塁に盗塁した。
矢野の3塁盗塁の特技を見極めた作戦だったと評論家は指摘していた。
ただ、何といっても打者の手薄は明らかだ。
菊池がようやく戻ってきた。
西川の復帰が待たれるが、新井監督は粘り強く待つ。
欲を言えば、もう一人、頼りになる外国人打者が欲しい。
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昨日はマツダ球場で広島カープ×DeNA3連戦の1勝1敗の3戦目をスカパー観戦できた。
ピッチャーは今、両チームの最高の投手広島・床田×DeNAバウアーだ。
0×0のひりひりする今年最高の投手戦だった。
試合は延長戦の末に引き分けた。
これだけの試合を見せる両チームは今季Aクラスは間違いないと確信した。
17日間無料サービスを受けた後もAクラスにいるようであれば、5年ぶりにプロ野球セットを契約しようと思った。
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