児童虐待 今からでも遅くない子供の叫びを聞いてほしい

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児童虐待に関する事件や裁判などの記事は朝日新聞紙上では2月中、16件あった。

警察庁の発表では児童虐待で、昨年検挙した事件は1957件で前年比577件増で過去最多だったという。

 

私自身、3歳の孫の男の子があまりに言うことを聞かないので腹立ちまぎれで、外に締め出したことがあった。

時間にして5分間ぐらいだったと思うが、孫が4歳になったとき、何かの拍子に「おじいちゃん、僕はあの時のことはしっかり覚えているからね」と一本取られたことを私自身も反省としてよく覚えている。

 

反省としてというのは、当時、その孫は言葉が遅く、発達障害があるのではないかと心配をするほどだった。

通園していた保育園では乱暴すぎると指摘されることもあった。

 

今は9歳になった孫と話をする、ゲームをする、散歩するが優しい、いい子に育っている。

あの頃は何だったのかと振り返り考えてみて私なりの一つの結論を得た。

 

それは言葉の遅れによるコミュニケーション障害から、うまく伝えられない様々なフラストレーションがたまっての行動だったのだと思う。

それがこちらには暴力的な子とか、わがままな子という表面的な理解しかできなかったのだと今さらながら反省している。

 

子供とはおおらかな気持ちで応じなければいけない。

ついかっとなった自分の方こそ、やっぱり大人げなかったのだと肝に銘じた。

60代70代のじいさんがかっとなるくらいだから、毎日子育てに追われるパパ、ママが時折爆発するのは許されるのかも知れないが、このところ報じられる児童虐待のケースは別だ。

 

特に目を引いたのは、目黒女児虐待事件と野田小女児虐待事件だった。

二つの事件とも女児が文章を残していた。

 

2018年目黒虐待事件では、5歳の女児船戸結愛ちゃんの残した「パパとママにいわれなくてもしっかりとじぶんからもっともっときょうよりかあしたはできるようにするからおねがいゆるしてくださいおねがいしますほんとうにおなじことはしませんからゆるして(原文ママ)」である。

これが5歳の女児の書いた文章である。

5歳の女児がここまで追いつめられて書いた、切迫した状況がわかる文章だ。

涙なくしては読めない。

女児は毎朝4時頃に起床し、父親からひらがなを書く練習をさせられていたという。

 

また2019年野田虐待事件でも、栗原心愛ちゃんが書いた自分への手紙に涙する。

 

「三月の終業式の日、あなたは漢字もできて、理科や社会も完ぺきだと思います。十月にたてためあて、もうたっせいできましたか。自学ノート( )さつめまで終わりました。五年生になってもそのままのあなたでいてください。未来のあなたを見たいです。あきらめないで下さい。」

 

亡くなる3か月前に自分にあてて書いた手紙だという。

実に健気で前向きな文章だ。

そして虐待死に至ったのだ。

何とむごいことかと胸を打つ、心が痛む。

本当に泣ける。

 

父親の栗原勇一郎被告は初公判で「しつけの範囲を超えた行為を深く後悔しています。決して許されるものではない。心から反省しております。」と涙をためながら文章を読み上げ鼻をすすったと新聞の記事にあった。

 

大人であり、唯一頼りにする父親(母親)からの理不尽な様々の暴力―虐待に対して、どのように絶望したか。

 

子供たちの絶望の張り裂ける叫びに何も応えるできない私も身勝手な大人の一人だ。

 

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