イランのウクライナ旅客機誤爆事件から

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冬空に咲く寒桜 犠牲者の死を悼んでいるかのようだ


事件直後、イランは墜落の原因は「エンジンの技術的な問題」と説明していたようだが、相次ぐ科学的な根拠を諸外国から指摘されると早々とミサイルの誤射だったことを認めた。

 

私の記憶に残る旅客機の撃墜事件は1983年、当時のソ連軍戦闘機によるミサイル攻撃を受けた大韓航空機撃墜事件で乗員乗客269人全員が死亡した。

また1988年にはイラン航空655便がアメリカ海軍のミサイル攻撃を受けて乗員乗客290人全員が死亡した。

こうした事件は当初、関与を否定していても、様々な物証が残り、政治的な変化も加わり明らかにせざるを得なくなるようだ。

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今回のイラン事件もイランのロハニ大統領が「(原因は)人的ミスだ。

悲惨で許すことのできない間違いだった。」と哀悼の意を表明した。

これほど早期に前言を撤回して非を認めるのは異例のことのようだが、現代科学においては早晩、原因が明らかなると判断しての対応だろう。

そういう意味では賢明な判断だと思った。

 

しかし、「災い転じて福となす」の格言があるが、トランプ大統領にとって何が幸いするかわからないというのが本音ではないか。

この誤射撃墜事件はトランプ大統領が決断したイラン・ソレイマニ司令官殺害事件に起因し、戦闘の泥沼化を危ぶむ声が増大していた。

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大統領選への悪影響を懸念し始めた矢先に起こった偶然の展開だったに違いない。

このことでイランは当面、自制せざるを得なくなったというのが今のところの大方の見方なのだ。

 

こうした虚々実々、魑魅魍魎の世界がある一方、我が日本国の主は、森友・加計問題から始まり、桜を見る会、その間に自衛隊イラク日報問題や毎月勤労統計不正問題等々枚挙にいとまがない中で、「廃棄した、ないものはない」で押し通していかれるのだから国内ではまさに最強だ。

そして、こうした状況の中で海上自衛隊の中東派遣を実施し、自らは中東訪問を見合わせにするとしていたが、流石にご都合主義という批判を恐れたのか、1月11日中東3か国歴訪に出発した。

しかし、今の段階で日本に何ができるのだろうとここだけの話考え込んでしまう。

 

また手土産を持って行って自己満足して戻られるのだろうと思ってしまう。

我が国の台所も火の車の状況なのだが。

 

それにつけても、生き残っているものたちは今回の緊張の緩和を喜び、戦争のない世を祈るけれども、撃墜された乗客乗員の皆さんの無念に「哀悼」と言われてもたまらない。この不条理は残酷すぎる。

 

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