私は広島生まれの広島育ち。
すき焼きと言えば、関西風の砂糖と醤油で直接調味するタイプだ。
それ以外食べたことがなかった。
ところが近年、割り下を使ったタイプに宗旨替えした。
きっかけは、下仁田ネギのすき焼きセットを、群馬県在住の知人から頂いたことだった。
その詰め合わせの中に瓶詰めの割り下が入っていた。
割り下という言葉を聞いたことはあるが、食べるのは初めてだった。
説明書のとおりに調理して食べてみると、これがうまい。
下仁田ネギの甘さ、旨味と調和して、とろけるようなおいしさだ。、
何より、味が決まるのが良い。
直接調味タイプだと、あ、砂糖入れすぎた、醤油を少し、あ、ちょっと入れすぎ、砂糖を足して、などとやっていて、味がどんどん濃くなってしまうことがある。
火勢が強すぎて、焦げ付いてしまうこともしばしばある。
割り下だと、そんなことがなくて、安定した味で、落ち着いて味わえる。
というわけで、我が家はこのところ、割り下派に転向し、人にも勧めている。
よく知られるように、関東は割り下派、関西は直接調味派ということになっているようだ。
ではその境界はどこにあるのだろうか。
先年カミさんが伊勢神宮を参拝した帰り、かの有名な松坂ですき焼きを賞味する機会があったのだが、その時は関西風だったという。
仲居さんが仕切って味付けをしてくれるのだが、相当甘くて、肉の美味しさが生かされていない気がしたと言っていた。
三重県は正真正銘の関西風のようだ。
かみさんの知人で、愛知県に嫁いだ人がいる。
その夫は生まれも育ちも愛知県だが、機会があって尋ねてみたところ、すき焼きは割り下派だと言っていた。
数少ないデータから判断するのもいかがなものかとは思うが、関東風と関西風の境界は、すき焼きに関しては愛知県、三重県あたりにあるのかもしれない。
私の母は東京出身だが、すき焼きは関西風だった。母がそうだというより、関西に嫁いだのだから、婚家先の味に従ったのだろう。
結婚間もない頃、カミさんがすき焼きの味について聞かれたことがあるそうだ。
岡山育ちのカミさんだから、当然関西風だが、母としてはもしや割り下派かもと、かすかな期待を持ったのかもしれないと、ふと思う。
以前、テレビ番組で、いろいろなものの関東風関西風の境目を探る企画があったのを覚えている。
そのときにすき焼きが取り上げられたかどうか、よく覚えていない。
今度静岡出身の友人にあったら、すき焼きの味について聞いてみるとしよう。
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