今はもう二人の子供の母親となった娘だが、小さい頃「大人になりたくないなあ」と思っていたことがあるらしい。
その理由はこうだ。
「だって、美味しいものを食べる時なんかに、お父さんやお母さんは子供にたくさんくれるでしょ。おとなになったらああいうふうにしなくてはいけないんだ、いやだなあ。」と思ったのだそうだ。
そしてある時から、その考えが変わった。
多分祖父母の家だと思うのだが、いとこたちと一緒におやつを食べていた。
幼い子供たちがあんまり美味しそうに食べるので、
「お姉ちゃんのもあげようか」
と、声をかけて見たところ、
「えっ、ほんと。うれしい。」と、大喜びされた。
「お姉ちゃん、ありがとう。」と幸せそうに食べるいとこたちを見て、自分が食べるよりも嬉しかったそうだ。
そして、「ああ、大人になるってこういうことかな。」と思ったという。
お父さんやお母さんが、イヤイヤ子供優先にしていたわけではないことにも気づいたという。
我々が若い頃は、生活に追われ、また、私自身病気がちだったこともあり、丁寧な子育てをしたとは言いにくい。
それなのに、そんな感性を持った娘に育ってくれたことに感謝した。
多分、我々よりも、両方の祖父母、そして、近くに住んでいた私の弟やカミさんの妹たちが慈しんでくれた結果なのだろう。
本当にありがたいことだ。
子育ても終わり、仕事からもリタイアした今、周囲に恩返しをすべきときだが果たしてそんなことができているだろうかと、改めて反省した次第です。
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