自民党存亡の危機 岸田首相の退路を断った決断は吉とでるか凶と出るか、政倫審を見た

リュウキンカが咲いた。春が近い。



今回の自民党の裏金問題は、これまでの様々な不祥事と比べて、自民党にとって最大の危機満載の不祥事だと思う。

衆議院政治倫理審査委員会(政倫審)の開催は決まったが、出席者、公開・非公開などをめぐって自民党内の姿勢が決まらず、結局、岸田首相が自ら出席して、テレビ中継などすべてオープンにして説明することを表明したことから、一挙に、予定されていた二階派事務総長武田良太元総務相、安倍派座長の塩谷立元文部科学相、安倍派の事務総長経験者の西村康稔前経済産業相、松野博一前官房長官、高木毅前国会対策委員長の5人の出席者もすぐに右に倣えとなった。

 

流石に自民党総裁、現職の首相の力は強いと思った。

もちろん、岸田首相は乾坤一擲、ここが力の見せ所と踏んでの登場だったに違いない。

このニュースの一報を聞いて、岸田さんは自分の出番をうかがっていたのだな、究極のタイミングだなとちょっと見直した。

従って、政倫審は期待しながら録画も準備して待った。

寒あやめ



2024年2月29日午後2時政倫審が開会した。

岸田首相は現職首相として史上初めての出席だという。

冒頭、岸田首相はいつものように、言葉を慎重に選びながら、政治への信頼を回復するため私自身先頭に立って前例や慣習にとらわれることなく改めるべきは改めていく。

先ずは今自浄作用が求められている自民党が抜本的な出直しをしていかなければなりませんと述べ、派閥パーティーの禁止や会計責任者が逮捕起訴等の事態になった場合、その団体の代表を務める議員も事案の内容に応じて処分できるようにするなど、3月17日の党大会に向けて党規など改定作業を進めると具体的な取り組みを説明した。

 

また、あるべき政治資金規正法の改正についても、一定の悪質な場合に会計責任者のみならず政治家本人も責任を負う法律改正を行うこと、政治団体に対する監査について対象範囲を拡大する法改正を行うことなどの取り組み強化を説明した。

ただ、今回の裏金問題については、一言も触れなかった。

 

あせび


野党の一番バッターは立憲民主党の野田元首相が立った。

野田元首相は、岸田総理自身の政治パーティーについて「在任中は、政治パーティーをやらないと明言できますか」と問うた。

岸田首相は「今後については、ご指摘等も踏まえて適切に判断します」といつもの一見誠実そうな答弁をした。

ところが野田元首相は重ねて「明確に言ってください。もう内閣総理大臣としては政治パーティをやらないと言ってください」と切り込んだ。

すると岸田首相は「内閣総理大臣として、パーティを開催すること、これは今は考えていません」と答弁したが、

野田元首相はさらに「今は考えていませんというのは、ほとぼりが冷めたらやるということじゃあないですか。在任中はやらないと明言してください」と手を緩めなかった。

とうとう岸田首相は「結果的に在任中にやることはないと考えている」と明言せざるを得ない状況に追い込まれたのだった。

 

2012年11月14日当時の民主党野田首相と自民党安倍総裁との党首討論の中で、必敗覚悟の解散宣言を思い出した。

私は野田さんの発言や生き方の中に真っ当な政治家を見る。

口先だけでない数少ない政治家だと評価している。

今回のこの二人の討論は、どう見ても岸田首相が位負けしていた。

ただ、今日の最大の目的である裏金問題とは遠く離れた討論となり、岸田首相の目論見通りという点では作戦勝ちとも言えた。

 

それから、自民党二階派事務総長の武田良太元総務相がたった。

彼は二階会長は派閥の象徴としての存在で、事務的事項については何ら関与していない。

私も経理関係には全く関与しておらず、すべて20年来の事務局長が担当していたという弁明に終始していた。

まったく軸をブラさずに同じことを繰り返す才能は確かに鍛え上げられている。

こうした人が政治の世界で生き残っていくのだろうと思った。

 

3月1日午前9時から西村康稔前経済産業相の説明が始まった。

清和会の会計については一切かかわっていない。

収支報告書は事務局長において行われてきたと知らぬ存ぜぬで通し続けていたが、政治にお金がかかることは子供でも知っている。

それなのに派閥の事務総長が会計については一切知らないと言い張るほうことのほうが疑念を抱かざるを得ないではないかと思ってしまった。

乙女椿



もともと、政治資金規正法には支出についてほぼ規制がなく、政治活動とはまったく関係のない使われ方(私的流用・不正蓄財)も多く見受けられるという。

そして、問題が起こると、私はまったく知らなかったといい、秘書が秘書がで逃げられるようになっているのだ。

そのことを官僚からレクチャーされていたのだと思わざるを得ない。

官僚を使うすべは一段も二段も旧民主党政権とは違い長けているのだ。

 

それから松野博一前官房長官、安倍派座長の塩谷立元文部科学相、高木毅前国会対策委員長が続いたが、同じ派閥の幹部の話は口裏合わせが徹底しており、裏金疑惑の解明などほど遠いと感じた。

思えば、東京地検特捜部の取り調べや事情聴取をくぐり抜けた、猛者ぞろいのみなさんに対して、野党のみなさんの追及などとてもとてもできないことだと感じる以外になかった。

そうした光景を見ながら、同じことを顔色一つ変えることなくしゃあしゃあと繰り返す政治家なんてまったく悪党ぞろいだなという感想しか私には浮かんでこなかった。

 

確かに前回、政権を託した旧民主党政権は、理想ばかりが高く、自民党政権下の事業など、無駄ばかりだと言わんばかりに事業仕分けを行ったが、結果は大山鳴動して鼠一匹だったし、沖縄辺野古基地移転問題にしても、沖縄県民を迷路に誘い込んでしまった。

また、官僚を徹底して追いやったがために、官僚を使いこなすことができずに自らが追い込まれる結果になった。

東日本大震災や原発事故の不運にも見舞われたが、結局は力不足が際立ち、政権交代可能な野党の地位から転落してしまったのだ。

ただ、安倍政権から引き続く、やりたい放題の自民党政権に今回はお灸をすえないといけないのではないかと私などは考える。

 

主権在民、その選択は国民の一票にあることを示さなければならない。

 

 

 

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