明けましておめでとうございます。
本年もよろしくお願いします。
2023年12月24日付朝日新聞3面には65歳以上の介護保険料の高所得者層の引き上げという記事と2023年に国内で生まれた日本人の子供が推計で72万6千人程度になることが分かった(団塊の世代が生まれた1947年~49年では毎年250万人超だった)という記事が並んでいた。
また、前日の23日の記事では2050年には東京都以外の46道府県で75歳以上の総人口が20%を超えると報じていた。
少子高齢化社会が急速に進行していることが分かる。
12月22日閣議決定された「こども未来戦略」にざざっと目を通してみた。
それによると「2022年に生まれたこどもの数は77万759人となり、統計を開始した1899年以来、最低の数字となった。
1949年に生まれたこどもの数は約270万人だったことを考えるとこどもの数はピークの3分の1以下にまで減少した。
少子化のスピードが加速している。
出生数が初めて100万人を割り込んだのは2016 年だったが、2019年に90 万人、2022年に80万人を割り込んだ。
このトレンドが続けば、2060年近くには50万人を割り込んでしまうことが予想されている。
そして、少子化は、人口減少を加速化させている。
2022年には80万人の自然減となった。
今後も、100万人の大都市が毎年1つ消滅するようなスピードで人口減少が進む。
現在、日本の総人口は1億 2,500万人だが、このままでは、2050年代に1億人、2060 年代に9千万人を割り込み、2070年に8,700万人程度になる。
わずか 50年で、我が国は人口の3分の1を失うおそれがある。」
と指摘している。
岸田政権はこうした人口減少と少子化対策として、「異次元の少子化対策」と銘打って得意のスローガンによる打ち上げ花火を上げたが、この政権は掛け声倒れが多い。
今回も、「こども未来戦略方針」を6月に発表後、相当な日数が経過したけれども、項目や目標をあげるだけで、詳細な説明や財源の具体的な説明がないと批判されていた。
今回は「方針」をとり「こども未来戦略」と決意を示したということなのだろうが、私には官僚による決まり文句てんこ盛りのレポートという程度にしか伝わってこなかった。
一番の問題は財源があまりにも不透明だからだ。
新たに必要となる財源は年3兆6000億円程度と言われている。
岸田首相はその財源については「徹底した歳出改革」で捻出するという。
けれど、何をどうするのか、具体的な捻出方法や金額の内訳などの説明は少ない。
徹底した歳出改革は民主党政権でも行財政改革の徹底した事業仕分けを振り回したが、削減目標の3兆円には届かず約1兆6千億円だったと2009年11月27日付朝日新聞デジタルにあった。
また足りない分を主に企業や保険制度加入者からの支援金制度で賄う方針だというけれど、これがまたわかりにくい。
何度か読み返して私なりに解釈したのはこうだ。
「こども未来戦略」の中の3つの基本理念の第一に挙げている「若い世代の所得を増やす」ことが実現すれば、企業や保険制度加入者からの保険料収入が増加する。
この増加分を支援金として使うというものではないかと解釈したのだが、素人にもわかる説明がされていないので、私などはまるで捕らぬ狸の皮算用とはこのことではないかと思ってしまう。
さらに、首相はこれまで「実質的な追加負担は生じない」と繰り返してきた。
でも国民の追加負担なしに、新たな制度設計はどうやってできるのだろう。
またぞろ、国債発行による借金政策かと疑ってしまう。
国債発行だって実質的には国民が負うことになる借金ではないのかと思わざるを得ない。
実際に「こども未来戦略」のⅢ-2「加速プラン」を支える安定的な財源の確保のなかの④では2028年度にかけて安定財源を確保するまでの間に財源不足が生じないよう、必要に応じ、つなぎとして、こども・子育て支援特例公債を発行する。
と書かれており、このことはまさしく借金で賄うということに他ならないのであり、わかりやすく(借金)と明確にすべきだと思う。
一方、国保から切り離された高齢者医療制度や介護保険制度の保険料の引き上げは今、高齢者間での話題の中心になっている。
でもここは高齢者が協力せざるを得ないではないかと私は思う。
孫・子の世代のために一定の収入以上ある高齢者層の負担増は致し方ないと思う。
異次元の少子化対策を掛け声倒れに終わらせないためには異次元の確実な財源確保策がなければ絵に描いた餅に終わってしまう。
そこで、退職老人が考え出した異次元の財源案である。
‥‥それは相続遺産の考え方を変えるべきだと考える。
異次元の遺産相続制度の導入だ。
これまでは、遺産と言えば、我が妻や子に、妻や子がない場合は、兄弟やその子供たちまでも追って相続人を探していたが、こうした旧態依然とした遺産継承法はやめにしなくてはならない。
少子化から多子化、人口増を目指すなら、子育て関連費用を完全に無償化するくらいの異次元策でなくてはならない。
もっとも、国としてもこれまでと比べて大幅な子育て政策(こども未来戦略)を発表したけれど、指摘したように、確たる財源があるわけではないのだ。
確実に存在する遺産という財源を次の世代の持続可能な人口増、多子化社会を実現するするために使うことを高齢者をはじめとする国民全体に、丁寧にしっかりと説明することだと私は確信する。
我が子に遺産を残すのではなく、子孫に遺産を残すという考え方を徹底するのだ。
まあ、遺産を100%取り上げるというのでは無茶に過ぎるかもしれない。
細かい制度設計や法律論は優秀な官僚が考え出してくれるだろうから、要は、遺産をわが子や孫に使うか、子孫世代に充てるかの選択について国民の議論を調整できないかと考えて初夢としたのです。
子供は社会全体で育てる、そのためには死んでいく多くの老人が社会のために、この未曽有の危機に最大限協力することだと思うのです。
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