統一地方選 立憲民主党の低落が止まらない 政権をとって、あぐらをかいた

ヒメウツギだろうか


統一地方選が終わった。

明暗がはっきりした選挙だった。

 

日本維新の会は大阪市長、大阪府知事のダブル選を制し、自民党が分裂した奈良県知事選では、大阪以外で初の維新公認の首長を誕生させた。

そして、衆参5補欠選挙でも和歌山1区で維新の新顔の女性候補林佑美(41)が自民党候補らを破り議席を獲得した。

 

一方、野党第1党の立憲民主党は参院大分選挙区の補欠選挙で前参院議員の吉田忠智(67)を公認し、共産党、社民党が支持し、自民党公認の新顔、公明党の推薦を受けた白坂亜紀(56)との一騎打ちとなり、341票差の僅差で白坂亜紀が勝利したのだった。

この熾烈な選挙も女性が勝利した。

 

また、衆議院千葉5区補欠選挙では7人の候補が乱立したが、自民新人英利アルフィヤ(34)と立憲民主党矢崎堅太郎(55)との事実上の一騎打ちとなりここも女性の英利アルフィヤが勝利したのだった。

古墳の周濠の土手に咲くフジ



リベラルといわれる立憲民主党が、女性の時代に女性を立てられずことごとく敗北した今回の衆参補欠選挙は、立憲民主党の時代を読む力のなさを露呈したと言っても言い過ぎではないだろう。

立憲民主党の岡田克也幹事長は、党の執行役員会のあと記者団に対し

「接戦まで持ち込んだのは一定の評価ができるが、負けは負けとして謙虚に受け止め、何が悪かったのかを分析したうえで、次の衆議院の解散・総選挙で結果を出すために頑張ろうということを確認した。

しっかり議席をとれるように準備を急がなければいけないと述べました。」

とNHK NEWS WEBが報じた。

 

この岡田幹事長のコメントに、現在の立憲民主党の低迷の原因が表れていると私は思った。

今更何をと思った。

時代を読み取る力がなかったということだ。

そもそも政権を転落させた当時の幹部が今だに幹事長で存在しなくてはならない立憲民主党に、魅力があろうはずがないではないか。

自民党の元幹事長小沢一郎然り、元首相菅直人然りだ。

党代表を泉健太に代えて刷新したかのように見えるが、古参の幹部が目を光らせており、泉健太の眼はどんどん輝きを失い、うつろになっているように見えて仕方がない。

 

維新と比べてみると一目瞭然だ。

大阪都構想に敗れて橋下徹が政治家引退宣言をして去ったあと、大阪維新の会のドンのようにふるまっていた松井一郎も二度目の大阪都構想の住民投票に敗れて、2023年4月任期満了で政界を引退すると宣言して引退した。

旧来の政治家の往生際の悪さを見てきた私には、指導者のこの引き際の良さが次への飛翔のばねになっているように思えた。

 

とは言え、大方の我々団塊の世代の維新に対する評判は悪い。

私たち団塊の世代は太平洋戦争後に生まれた戦後世代として、ベトナム戦争や中国の文化大革命やベルリンの壁の崩壊などの政治的大変動を経験する中で、平和主義と反権力的思想体系を身に付けてきたように思う。

簡単に言えば強いものに対する反骨気風が植え付けられてきたように思う。

そして大なり小なり全共闘運動の洗礼を受けて、高度成長経済やバブル崩壊を生き抜いてきた。

ベルエトワールだろうか



こうした中から出てきたのが大阪維新の会だった。

設立は2010年4月、当時の大阪府知事橋下徹と自民党を離党した大阪府議、大阪市議、堺市議らによって設立された。

その後の目覚ましい伸長は前述している通りだ。

維新の会の伸長とは真逆に衰退しつつあるのが、立憲民主党だ。

 

立憲民主党の前身である民主党が政権を勝ちとったのが2009年8月の総選挙であり、政権は2012年12月の総選挙に敗れて終わった。

 

維新の会と立憲民主党は何がどう違ったのだろうか。

そもそも維新の会は大阪の地域政党として、行政改革を旗印に区会議員、市会議員、府会議員、町長、市長などの住民に密着した地方政治から出発していることだ。

翻って、中央政党として国政を担った立憲民主党の前身、民主党は、小選挙区制度に選挙制度が変わっていく中で、2大政党制を目指した野党共闘の中から政権を奪取したけれども、地方、地域には脆弱な組織しか持たなかった。

この違いは成長力の点からいえば維新の会に軍配が上がる。

階段を一つ一つ昇っていき、その成功事例の積み重ねて選挙民の支持の輪が広がっていったのだと思う。

こうした維新の会の戦略を立憲民主党がとりえない限り、いくら護憲や反原発などを標榜し大言壮語しても勝利はおぼつかない。

現に、地方選挙の結果は

 

朝日新聞によれば 「維新、関西で勢い 各党衝撃」の見出しで、統一地方選の前半戦で、関西を中心に地方議員を大幅に増やした日本維新の会。

首都圏など「議席ゼロ」だった議会でも議席を確保し「全国政党化」への足掛かりとなった。

一方、維新候補に押し出される形で、自民党の有力議員らの落選が相次ぎ、各地の政界で衝撃が走ったと伝えていた。

植え込みのツツジが鮮やか


  

41道府県議員党派別当選者数

党派     前 回    今 回

自 民     1158        1153

立 憲            118             185   

維 新         16       69

国 民               83            31

公 明             166          169

共 産       99     75

 

 維新の府県政令市の獲得議席数         

          前 回    今 回      

 大阪府 (79)     51       55     

 兵庫県 (86)     9       21        

 京都府 (60)        2                9        

 奈良県 (43)        4       14     

 滋賀県  (44)          0        3     

和歌山県(42)       1                3    

 大阪市 (81)     40        46

    神戸市 (65)     10        15 

    京都市 (67)      4        10 

*維新の得票率は0.99%から6倍超の6.04%に伸びた。

大阪維新と全国維新の会(5.97%)と合わせた道府県議選得票率は立憲(10.38%)を上回った。

こうした中で、維新の政策実現への直線的なエネルギー、例えば前のめりの憲法改正や敗れたとはいえ大阪都構想で見せた住民投票への執念、そして現在、国の認定を受けて実現を目指すカジノを含む大阪IR構想など、看過できない政策遂行に突っ走る維新の会の人気拡大が懸念されて仕方がない。

 

いずれにしても、今や政権交代可能な二大政党制などという夢を見てはいけない。

全野党共闘などもあり得ない。

多くの政党が右傾保守化していく中で、しっかりと地域に足をつけ、住民の生活の中に根を生やす政党から始めるべきだ。

そして、筋を曲げない、ぶれずに政権と対峙する野党になってほしい。

 

維新は自民党をぶっ壊すかもしれない。

自民党を分裂させ、のっとってしまう維新の浸透・拡大を許してはならない。

立憲民主党には誠実で信頼できる人材を発掘し育て、この国を守ってほしいと願っている。

 

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