先週8月28日夕方、安倍首相は久しぶりの記者会見の中で、突然辞任を表明した。
突然の辞任は第一次安倍政権の時にもあったが、今回はそれはないだろうと多くの人は見ていたと思う。
辞任理由も前回と同じ病名の持病の悪化だという。
それでも前回と違うのは投げ出してしまうのではなく、後継の自民党総裁が決まるまでは任に留まるということで、前回の反省点も踏まえた辞任劇だった。
確かに持病の潰瘍性大腸炎の悪化ということで、「国民の負託にこたえられる状態でなくなった」と言われれば、「それでも『私』の責任を再三再四、口にしてきた総理である以上、何としても任期内はやり通すべきだ」とは流石に言えない。
しかし、この7年8ヶ月、国会会期中を除けば、毎月のように諸外国を訪問し、多忙を極められていた。2013年1月から2020年1月までで、延べ訪問国・地域は176国・地域に及ぶのだ。
何だか、国会を閉じると逃げるように外国へ出発されていたような印象が強かった。ただ、持病をお持ちになっていたことを思うと、もう少し健康管理に留意する必要があったのではないかと思ってしまう。
また、森友問題では文書改ざんをめぐって職員に自殺者を出してしまっているのだ。そして、加計問題や元法務大臣の河井衆議院議員・妻の案里参議院議員の公職選挙法違反事件、桜を見る会などはお友達や重用する議員、支援者たちへの特別扱いなどのでたらめな公金の執行であり、加えてコロナ対応の不手際の連続等々を振り返れば病気にならないほうがおかしいようなストレスの連続であったに違いないのだが、これを自業自得と言ってはやはり言いすぎになるだろうか。
そして、後継者をめぐり今まさに自民党内では茶番劇が繰り広げられている。
その様子をワイドショーで見ながら「主権在民」という言葉を思い浮かべた。
2012年民主党は東日本大震災・福島原発の爆発や沖縄普天間基地問題の不手際な対応、鬼の首を取ったような事業仕分けなど稚拙な行政執行を問われて、政権交代されてしまった。
それは、国民の選択の結果なのだ。
今回も数々の安倍政権のやりたい放題に対して、国民は「主権在民」の意識を高くして、政権交代を実現させるべきだと私は考える。
それが可能となるのはまさに小選挙区比例代表並立制という現行の選挙制度だからだ。
今度の選挙は自民が野に下って反省してもらうことだ。
野党もこの間、情けない分裂劇を繰り返したが、前回の反省を生かしてどう変わって登場するか楽しみにしている。
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