立憲民主党と国民民主党が合流方式をめぐって、危機感のない議論を続けているように見えて仕方がない。
やりたい放題を続ける自民党・安倍政権の前に、その主張はほとんど負け犬の遠吠えのごとき存在である。
最近の新聞報道によれば、立憲民主党の枝野代表は「権力は憲法によって制約されるという立憲主義」を主張し「立憲」という名称は譲れないという。
国民民主党玉木代表は新型コロナウイルス対策の中で「消費税減税を行うべき」とし、党名は「投票など民主的な手続きでえらぶのがいい」と主張し、最終合意に至っていないという。
7月13日のNHK政党支持率では立憲民主党が4.9%、国民民主党が0.7%両党合わせて5.6%しかないのだ。
今さら党名へのこだわりでもないだろうと思ってしまう。
旧民主党は小選挙区制の導入とともに、2大政党制をキャッチフレーズに議席を確保していった。
2007年7月の参議院議員選挙で与野党逆転させ、2009年7月の衆議院議員選挙では絶対安定多数を超える308議席を確保して、政権交代を実現させたのだった。
自民党麻生政権の体質を嫌った国民の選択は雪崩れを打っての自民党の敗北であり、小選挙区制度の持つ怖さを如実に表した選挙だった。
自民党に勝利した民主党政権の「コンクリートから人へ」という清新なキャッチコピーに注目した。
そして事業仕分けがあった。
自治体職員だった私も、大勢の観衆の見守る中で業務の遂行の必要性を説明したが、まるで無駄遣いの犯人捜しをされているようだった。
脱官僚主義は専門家集団を敵に回しただけで、有為な人材の活用を怠ってしまった。
結局、未曾有の東日本大震災の発生やそれに伴う福島原発の危機的な事故、そして沖縄普天間基地移転問題などの不手際な処理が相次ぎ、民主党政権は国民の支持を失った。
安倍首相は「あの悪夢のような民主党政権」と言ったけれど私にとっては、森友・加計や桜を見る会、黒川東京高検検事長の定年延長問題、河井事件等々の不正義、不誠実な対応に比べれば、悪夢はまさに安倍政権の方である。
安倍政権の新型コロナウイルスへの対応を見れば、民主党政権下の東日本大震災及び福島原発事故への批判など目糞鼻糞を笑うの類だ。
いずれにしても、現下の日本の政治状況を何とかしなければならない。
今や政党支持率はひとけた台に沈んでしまったが、前政権と言えば民主党政権なのだ。政権選択可能な政党として登場した民主党政権は政権運営の未熟さも手伝って、基本理念も忘れ、政権への執着に走り、バラバラになって自壊したのだ。
もう一度初心に帰り自民党との対立軸をわかりやすい言葉で国民に説明することだ。
その対立軸はひとつは、護憲・立憲主義であり、もう一つは反原発であり、さらに一つは誠実な政治だと私は思う。
1998年4月27日民主党統一(第1回)大会決定の基本理念の中に、私たちの目ざすものとして第一に、透明・公平・公正なルールに基づく社会を目指しますとある。
これこそが安倍政権への対立軸なのだ。
七転び八起きという言葉がある。
一度や二度の躓きで動揺したり小異で争っている場合ではないのだ。
小異を捨て大きな理念を掲げて大同団結してもらいたい。
今一度国民に判りやすい基本理念をしっかり設定し、政権選択を迫ってほしい。
もうぶれてはいけない。
小選挙区制度である以上、国民の心を捉えたら政権は選挙でひっくり返る。
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