10月23日 第212回臨時国会が開会した。
本会議や委員会の論戦では岸田首相の政権運営をめぐって、岸田首相はほとんど四面楚歌のような状況に追い込まれていた。
所信表明演説した際、「経済、経済、経済」が何よりも重要と繰り返した。
急激な物価高に対して、「デフレ完全脱却のための一時的緩和措置」として税収の増収分を「還元」して、物価高による国民の負担を緩和しますと表明した。
そして、代表質問や予算委員会において、具体策として、所得税など1人当たり4万円の定額減税や住民税非課税世帯に7万円給付などの方針を説明した。
ところが思惑に反して、内閣支持率は直近10月27日~29日調査、日経・テレ東が33%で、9ポイント下落した。
10月28日~29日調査、ANN(テレ朝)が26.9%で、3.8ポイントの下落だった。
急激な物価高の中で、国民生活を支えるという決断をされたのだろうが、国民から言えば、今年度の当初予算論議において、緊張が続く国際情勢における防衛力増強の必要性や人口減少に歯止めがかからない中での異次元の少子化対策の重要性を訴える中で、増税を含めてその財源捻出に汲々としていたにもかかわらず、一転して減税を声高に叫ぶ姿に、多くの国民は、首相の本気度はどこにあるのかと冷めた気持ちになってしまったのだ。
世論調査の低落傾向から今秋の衆議院解散は遠ざかったとはいえ、遠くない選挙に向けて、国民の歓心を買おうという下心が透けて見えるのだ。
国民を馬鹿にするのもいい加減にしてもらいたい。
長く続いた新型コロナ感染禍での給付金や様々な支援は致し方なかったけれども、生活困窮者などへの支援はいざ知らず、全国民への減税などを持ち出す岸田首相のむき出しの選挙対策にあきれてしまったのだ。
このような人物をなぜ首相に選んでしまったのかと途方に暮れる。
令和5年度末の国債残高(借金)は1,068兆円になるという。
借金返済にかかる費用(国債費)は25兆2503億円で歳出総額(114兆3,812億円)に占める割合は22.1%になると財務省のホームページにある。
歳入のうち税収は69兆4400億円、その他収入9兆4182億円、国債費(借金)35兆6230億円で、国債費(借金)は約31%を占める。
要するに、日本国の予算は借金をしないと成り立たないという状況にある。
その借金というのは、国債を発行しお金を刷って日銀に国債を買ってもらい、お金を生み出しているのだ。
それが積もり積もって1000兆円を超す国の借金なのだ。
このような、いわゆる自転車操業の予算編成をいつまで続けようとするのか。
こうした借金を、もはや未来永劫にわたって子や孫の代に残そうとしているのだ。
歴史的にも鎌倉時代の徳政令や太平洋戦争終戦後の新円切り替えなど強制的な借金棒引き政策をとらざるを得なくなるように思うのだが‥‥。
故安倍元首相はかって講演の中で、1千兆円以上の国債発行残高を不安視する意見に対して
「私は大丈夫だと言いたい。
確かに政府には借金があるが、半分は日本銀行に(国債を)買ってもらっている」と述べた。
「家計的に考えると借金はまずいが、政府は日本銀行とともにお札を刷ることができる。(家計に)例えるのは間違っている」と強調し
「野放図にどんどんお札を刷っていいわけではない。
2%という物価安定目標を超えたら金融を引き締めていく。
まだまだ日本国債は十分な信用があるから心配しないでもらいたい。
これからもまだまだ財政政策をやっていく余裕はある」と語った。
本当にそうなのか。
国と家計とはどのように違うのか。
野放図にどんどんお札を刷っていいわけではないと話したが、今の状況は野放図でないという根拠は何なのか。
先ずは安倍亡き後を継いだ岸田首相が政権党の主として国民にきちんと説明してもらいたい。
打ち出の小槌のように、刷って刷って配ればいい、というものではなかろう。
説明に納得できれば国民は応援すると思いますよ。
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