長年使っていたグッピーの水槽のヒーターが壊れたので買い換えた。
以前も買い換えたことがあったので、説明書をよく読むでもなくほとんど機械的に取り替えた。
翌朝、餌をやろうとして異変に気が付いた。
グッピーがいないのだ。
水槽に手をつけると、まるで熱湯状態だった。
水や氷を投入したが、いつもは30匹以上いる魚影はまったく見えなかった。
原因は温度調節をするセンサーを水槽の中に入れ忘れたのだった。
覆水盆に返らず、まあ仕方ないかと買い物に出かけた。
買い物から戻って、水槽の中を凝視していると、何やら動いている。
よく見ると、小さなグッピーがいるではないか。
「生きてるよー」とカミさんを大声で呼んだ。
それから数日後、カミさんが「もう一匹いるみたいよ」と言い、二人で探したけれど60センチの小さな水槽ではあるが、水草も多く、なかなか発見に至らず、また数日が経った頃、これは2匹が生き残っていると確信するに至った。
それから、2か月ほどしたある朝、水槽をのぞくと小さな赤ちゃんグッピーが10匹以上泳いでいた。
まさに奇跡のグッピーだ。
あの熱湯水槽から2匹が生き残り、それもオス、メスだった。
まさにアダムとイブ。そして子どもが誕生した。
これは我が家にとって大変な慶事ではないだろうかと感慨ひとしおだった。