気になる終活その三 グッピーのこと

ナツズイセンの花


終活のその一はカミさんのところの墓仕舞いだった。

カミさんは三姉妹の長女として江戸時代から続く田舎の墓所の30基を超す墓石を一か所にまとめる工事やら、お性根抜きの儀式、お寺さんからの離脱、両親と祖父母の永代供養墓への移転などなど、この世を去るための終活をこなしている。

 

その二は一昨年の私の実家の解体撤去だった。

築100年の崩壊寸前の古家だった。

隣も廃屋化しており、この際一緒にと解体撤去したが、田舎の町中の二軒家、撤去してしまうと小さな空き地になってしまった。

 

子供の頃、人口2万4千人と言っていた。

小学校の校歌には「学び子すべて千余名」という歌詞があったけれど、今の人口は7千人ほどで過疎化が進み、この先、この土地を処分できるあてもなく、行政のほうで無償で受け取ってもらえないかと願わざるを得ない。

 


さて、その三は、もう30年も飼っているグッピーのことだ。

先日、テレビで熱帯魚が水路で繁殖しているニュースを聞くともなく聞いた。

ネットで調べてみると5月17日のABEMAヒルズのニュース番組にヒットした。

アベマは藤井颯太5冠の指す棋戦の際に無料視聴させてもらって利用しているだけなので、多分、私の見たニュース番組はいわゆる民放のニュースだったと思う。

 

アベマのニュースでは、熱帯魚はアフリカ産でゴールデンゼブラシクリッドという種類で、下水を温めて殺菌処理した水を水路に流しているので、冬を越すことができ、生き延びているのだという。

いわゆる、温暖化が原因ではないというものだった。

ただ、グッピーなどは温暖化が原因で時々、越冬して生き延びるケースもあるようだ。

そのニュースのことを聞いて、私はカミさんにうちのグッピーも管理できなくなったら近くの池にでも放さないといけないかなあとのんきに漏らした。

カミさんが環境派のご意見番だということを忘れていた。

カミさんは言下に「放すなんて絶対ダメ!」と否定された。

我が家のグッピーたち




これまでもブログに何度か書いてきたが、私の飼っているグッピーは私にとって特別な思い出のあるグッピーなのだ。

10年位前に水槽のヒーターが壊れてヒーターを取り換えたことがある。

その時、温度調節をするセンサーを水槽に入れ忘れた。

そのため、水槽は熱湯状態になっていた。

気が付いてすぐに水や氷を投入したが飼っていたグッピーはどこにもおらず全滅した。

 

と思っていたが、数時間後、水槽の底に一匹のグッピーを発見した。

あの熱湯のような状況で生き残ったグッピーがいたのだ。

多分、底の方はまだ生き残れる程度の水温状態があったのだろう。

それから数日後、かみさんがもう一匹いるようだというので60センチ水槽の中を凝視したが、水草も多く発見できなかった。

 

それから数日後、生き残った二匹が泳いでいた。

奇跡の二匹のグッピーだったが、奇跡はこれで終わらなかった。

 

それから2か月ほどしたある朝、水槽をのぞくと小さなグッピーの赤ちゃんが10匹以上泳いでいた。

まさに生き残ったグッピーはアダムとイヴだったのだ。

我が家のグッピーの世界創造だった。

そして、これまでにその子孫たちが営々と生き続けている。

 

グッピーは年2回程度出産するから、何世代何百匹何千匹生まれたことか。

この我が家の水槽が彼らの唯一の世界なのだ。

この中で皆、平和に暮らしている。

 

このグッピーの世界の幕引きは「殺してしまう」のが、飼い主の責任の取り方なのだろうと思う一方、動物愛護の観点での様々な意見があることも当然だ。

外来種を無責任に放流することによって、日本の河川や湖沼の生態系を壊すというという意見も当然だ。

犬や猫の場合、最終的には避妊手術によって、付き合う期間を調整できる。

しかし、特にグッピーは繁殖力旺盛で、一匹の寿命は数年もないけれど、子、孫、玄孫と続々と係累が引き継いでいくので、これで終わりと線を引くことができないのだ。

 

確かに、生態系を破壊するような、無責任な放流は決してすべきではないという、カミさんの主張を否定できないし、さりとて、飼えなくなったら命を奪う、それが飼い主の責任の取り方だと言い放てるほど強くはない私なのだった。

ドラゴンフルーツの花



というようなところを行きつ戻りつ、どのようにまとめるかと呻吟していたら、よいアイデアが浮かんだ。

それは、熱帯魚に避妊薬入りの餌を与えて子供を産まさないようにすれば問題は解決するのではないかということだった。

 

ということで、インターネットでざっと探していたら、流石に避妊薬入りの餌にはヒットしなかったが、避妊ピルで世界中の魚がトランジェスター化(メス化)しているという記事に出会った。

日本でも東京都環境化学研究所の2004年の調査報告では、下水処理に含まれる女性の尿が魚類のメス化の主因であると指摘されているという記事があった。

 

我が家のグッピーたちの生涯を見届ける方法として、これは麻生副総理がよく使った「いい手口」ではないかと思った。

もうしばらく、調査研究すれば案外いいグッピーの終活の解決法がありそうだと楽天家の老人は思った次第です。

 

ランキングに参加しています。気に入っていただけましたら

↓をクリックして応援してください。

 


全般ランキング