亥の子会 姫路~赤穂の旅(後編)

からくり時計 義士あんどん



 

姫路駅から赤穂駅までは30分ほどだ。

赤穂駅前のセブンイレブンで本日の宴会前、宴会後の交流会のビール、日本酒、焼酎、酒の肴を8000円ほど買い込み、タクシーで本日の宿、亀の井ホテルに到着。

かつてはかんぽの宿として日本郵政の宿泊事業だったが、亀の井ホテルに売却された。

かんぽの宿の時代に泊まったことがあった。

やはり民間事業者のコスト意識や合理性が反映されてお客も増え、民営化の効果は大きい。

簡保事業は武士の商法と終ったのは間違いないと思った。

 

福山から車でホテルに直行したS君が待っていてくれた。

参加者9人全員が揃った。

早速、一部屋に集まり宴会が始まった。

ちょうどテレビは大相撲の時間、テレビをつけてほしいと声を出したのは私と女性が一人、他の高齢者は相撲など、もう何年も見ていないというではないか。

耳を疑ってしまった。

後期高齢者にとって、大相撲は日常生活にとってなくてはならないと思って生活している私には唖然とした椿事だった。

それから運転免許の高齢者講習、認知症講習、そしてこれまでの亥の子会の振り返りなどしていたら瞬く間に時間は過ぎて、夕食の時間となった。

夕食乾杯



午後6時から食事の時間となり大食堂に行く。

皆で乾杯をしようとカメラを向けていると、女性職員がすぐにやってきて乾杯する写真を撮ってくれた。

こうしたサービスは徹底されているようで、朝食でも同様に、頼む間もなく飛んできて撮ってくれた。

午後9時ころに部屋に戻り再び宴会だ。

年はとっても男どもはよく飲む。

T君にいわれて持参したカラオケを設置する。

昭和歌謡が続く。

お刺身も美味しそう



でも、カラオケは歌いたい人、歌いたくない人に分かれて、自己中と興ざめの空気が流れるのが良くない。

カラオケ同好会ではないので、これからはカラオケの持参はやめようと思った。

それでも、11時過ぎには解散して、温泉に入った。

深夜の温泉独り占めはやめられない

 

 

赤穂亀の井ホテルは丘陵地のてっぺんに立っていて、瀬戸内海を見下ろす眺望は実に素晴らしい。

午前6時過ぎ、今朝もウオーキングに出発したが、丘陵地のてっぺんからは、少し傾斜のきつい坂を下るだけの道で、眺望は上で眺めるのが良いことは決まっているし、帰りは坂道を登らなければならないことに気づいて、何だか馬鹿らしくなって途中で引き返した。

朝食はバイキング、メニューも大変豊富だった。

 

いつものことだが、取り過ぎて全部食べ切るのに苦労した。

男性陣は朝も生ビールをいただく。

会費に2000円の男女差があるけれど、これでいいのかとちょっと反省した。

 

今日は赤穂城へ行く。

亀の井ホテル始発の赤穂駅行バスに乗車。

女性陣はS君の乗用車に乗るとはしゃいでいた。

この歳になると女性陣は特にずうずうしく甘えるのが上手だ。

ということで我々男性陣はバスで後を追った。

赤穂駅に到着すると、女性陣が迎えてくれて、荷物はロッカーに預けずに、S君の車に入れるよう指示してくれる。

さあ、これから赤穂城へ向かって「赤穂ブラ」。と言ったけれど、昨日の姫路に比べようのない閑散とした観光地だ。

それでも、先日行った私の故郷の帝釈峡と比べれば、まさに天と地の違い、上には上があるし下には下がある。

ただ言えることは、石破首相がどんなに大きな声で地方創生を叫んでも、ほぼ困難な状況が見える。

地方には人がいない。

すべてにおいて支え、動かす労働力がないのだ。

 

幹事の先導で先ずは赤穂浪士の眠る花岳寺(かがくじ)をお参りする。

歴史を伝える立派なお寺で、浅野家や赤穂義士に関する資料など展示されて、1時間弱の拝観となった。

次に赤穂城と大石内蔵助と47士をまつる大石神社に行く。

この往復コースは2キロくらいか、ジジババには許容限界コースだ。

皆さん相当お疲れの様子で、大石神社は参道入口のところで、眺めて終わり。

幹事長K女史を除いて誰一人お参り希望に手を挙げなかった。

「不届きものめ!」とはいえない。

昨日からの飲み過ぎがたたって、私も疲労困憊だ。

 

ということで赤穂城は二の丸をバックに記念写真をと、ちょうど道路を隔てたところで写真をとってもらっていた女のひと、男の人は首からネームホルダーのようなものをかけているので役場の職員かと思ったら二人は肩を組んで自撮りしている。

不思議なことをと思っていたら、我らの超積極女性のM女史が小走りに近づいて、シャッターをお願いした。

写真を撮り終えた後、聞くとお二人はご夫婦で、レンタサイクルで赤穂市内を回っていると知った。

明るいご夫婦だった。

 

それから、いよいよ昼食。

来るときに一応見当をつけておいたお蕎麦屋さんに向かって歩いた。

その名は「あこう蕎麦・衣笠」。12時前に到着。

中に入ると長いカウンターと4人掛けのテーブル。

全員が一緒に座れないとちょっとがっかりしていると2階があるという。

二階に上がると座敷にテーブル。

2組に分かれて昼食と相成った。

 

ここでも男は生中を所望。

あこう蕎麦と銘打ったそばは、蕎麦定食が売りのようで、食欲のない私は考え及ばず、同僚が本日の定食を頼んだのに従って、頼んでしまった。

ものが来てから、ざるそばにゲソてんと大きなおにぎりが付いていた。

とても食べきれず、同じように頼んだK女史がおにぎりは持って帰るというので差し上げた。

まあ、普通のお蕎麦屋さんではあったが、注文を運んでくれた女性の、お客を気遣う言葉遣いや所作に、そこまでしなくてもとつい思ってしまった。

私のスキンヘッドにおびえたのかもしれないと後から思った。

 

赤穂駅に戻ってお買い物、私はかん川本舗の塩見饅頭と日本酒「忠臣蔵」純米吟醸を買う。

福山から車で来たS君とはここでお別れ。

改札口に行くとテレビ画面に新幹線はホームでの接触事故で運転見合わせというテロップが流れていた。

私は姫路に戻って新幹線で帰岡する予定でいたが、状況が分からないまま急遽、相生で下車することにした。

気が付くと奈良から来て昨日一緒にランチをしたT君がいない。

皆さんに聞くと別の車両に座ったという。

皆さんに挨拶して、相生で下車して別の車両を探したらすぐ後ろの車両にさえない顔をして座っていた。

また飲み過ぎてしんどいのだろうと思った。

窓越しにここで降りるとジェスチャーで伝えていると、隣のホームに山陽線の岡山行が入ってきた。私はT君に手を振って、普通列車に乗り込んだ。

大変ラッキーだった。

相生から1時間、居眠りして気が付いたら列車は旭川の手前だった。

バス停に着いたら、私の家のそばを通るバスが入ってきた。

 

岡山駅からバスで40分弱。

ラッキー、ラッキー、今年もいい旅ができたと満足した。

 

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