令和の米騒動はいつごろから始まったのかと思い、検索してみた。
ウィキペディアによると新米の出る2024年9月前にメディアの「コメ不足」報道で消費者の不安が高まり、必要以上にお米を買い求める消費者が発生したとあった。
2024年8月の5kgの価格は2,871円(前年同月比1.23倍、/前月比1.07倍)に対して、新米の出る9月には3,787円、11月3,985円、12月4018円と上昇していった。
私はかつての職場の同僚との付き合いで、秋になれば有名店のパンをお土産に持参しながら野菜を取りに行き、ついでにという感覚で、農家で使う30kg入りのコメ袋を頂いていた。もちろん、お歳暮として当地の名産の和牛肉などを送ってはいたが。でも、これほど高騰してくるとは思ってもいなかった。友人も、今年は高く売れたと喜んでいた。確か私のあやふやな記憶では30kg18,000円と言っていたように思うが、農協への売り渡し価格と言うことであれば、5kg3,000円となり、生産者米価でいうとほぼ妥当。
これが消費者米価になると、輸送コストや倉庫管理コスト、人件費、事務費、利益等々から9月新米価格3,787円程度というのは妥当な設定なのかなと素人は推計した。
ただ、商業ベースでは、予期しなかったコメ不足が現実となり、あれよあれよという間に5,000円越えの価格となり大騒ぎ、
「コメは買ったことがない、支援者の方がたくさん下さるので、まさに売るほどある」
と発言した江藤農水大臣は各界各層、国民の逆鱗に触れ、あえなく辞任した。
しかし、お米がこれほどまでにひっ迫していたとは日本政府も、農水省も、農協も、マスコミも、国民も誰一人知らなかったですむ話ではないだろう。
私たちの若いころは食管法(食糧管理法)という法律で、
「政府がコメなどの主要食糧の生産、流通、価格を管理する」
としていた。
この法律では生産者から高く買って消費者へは安く売っていたものだから、国の赤字拡大などを理由に1995年に廃止され、現在は「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(食糧法)に引き継がれた。
規制緩和が進み、コメの自由販売が一層促進された。
ただ、今回の件は、政府は市場に任せすぎだったのではないかと思わざるを得ない。
市場はコメの自由化と流通などや価格の思惑がからみなどで、制御不能に陥ったように思う。
それは逆に言えば政府自身がその主体性や国民の生活を守るという視点を見失っていたというほかはない。
再度、政府の関与のあり様を見直すべきだと主張したい。
だが、日本は平和国家だ。
江藤大臣から交代した小泉農水大臣が備蓄米を徹底的に放出すると言明し、行動に移した。ただ、誰が考えても、考えなくても、これしかないという一手を打ったと言える。
世間は一気に落ち着きを取り戻しつつあるけれど、90トンの備蓄米の放出が終了したらどうなるのかしらと思わざるを得ない。
ただ、わが家はお米を口にするのは朝ごはんだけ。
お昼はパンや麺類、夜はお酒と肉や魚や野菜で、ご飯は食べない。
多分、30キロのお米は半年以上ある。
その上、宮城の米どころの友人からもササニシキやひとめぼれが届く。
今、わが家ではコメを巡るこれからの付き合いはどのようにすべきかと思案する。
令和の米騒動は、いろんな点で考えさせてくれた。
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