毎朝必ず、羽鳥慎一モーニングショーを見る。
9月28日の放送の中で、安倍元首相の国葬での菅前首相の弔辞に関してコメンテーターの玉川徹氏が「当然、これ電通が入ってますからね。」と発言した。
私も見ていた。
自信たっぷりの発言に玉川さんの情報力に驚かされたが、正直、あの場で、唐突に(見えた)ストレートな表現には少し違和感があった。
ただ電通と聞くと、東京オリンピックに関連した電通元専務で元五輪組織委理事の収賄事件や最高裁まで争った社員の過労死事件など印象はよくない中で、電通ならさもありなんとも思った。
翌日のモーニングショーも見た。
玉川さんは電通は国葬に関与していなかったと率直に訂正・謝罪した。
そしてテレビ朝日は社員でもある玉川徹に対して10日間の謹慎処分とした。
従って、現在は玉川氏不在の羽鳥慎一モーニングショーである。
でも他の出演者には申し訳ないけれど玉川氏のいないモーニングショーは、ワサビ抜きのお寿司だ。
歯に衣着せぬ、直線的な発言がなんと心地よかったことか。
刺激的な発言も抑えるところは抑え、徹底的に追い詰める発言はしてこなかった。
その意味では、今回の電通関与の発言はストレートだった。
そのことが驚きとともに違和感が残ったということではあった。
ところで、この玉川発言について考えてみた。
いわゆるワイドショーにおけるMCやコメンテーターの発信に関する責任はどうあるべきかということだけれど、私の考えでは、ワイドショーなどの情報提供番組では、すべてが善である必要はない。「かも知れないな」というような情報提供は結構あるし、視聴者の側もある程度眉に唾つけて見ているようなところはある、それが暗黙の前提ではないだろうか。
ただ、それが許されるのは、強権力を持っている人や強大な団体や組織に対してである。
そのような対象に向かっては強すぎる言葉も、誤った情報に基づく発信も相手からすれば事実でないなら鼻で笑っておけばいい、無視すればいいことではないかと思う。
もちろん、事実と違う、間違った情報提供に対しては、その経緯の説明・訂正・謝罪は速やかにしなければならないことは当然だ。
そこのところの対処の仕方は今回間違っていなかったと思う。
そして絶対にやってはならないことは、弱い立場にいる人への攻撃的主張だ。
この軸をブラさずに報道する姿勢があれば、そうした対応に対して視聴者は支持すると私は信じる。
国葬となった元首相は様々な疑惑の中で、徹頭徹尾しらを切り続けた。
そして、逃げ切ったかに見えたが、自らまいた種が巡り巡って自分に降りかかった。
ことわざにある因果は巡るという結果になった訳だが、こんなことは市井の隅に生きている私だから言ってもいいだろうというのは勝手すぎるのか。
国葬となった元首相に対して「国賊」と言った自民党議員が謝罪に追い込まれ、役職停止1年間という処分に追い込まれたが、強い人同士だからそれはそれでいいかと思ってしまった。
ただ、私は自民党の領袖を「国賊」と批判したかの議員の強さには驚くとともに高く評価をした。
また彼の謝罪も大人の身の処し方だと思って好感を持った。
さて、いずれにしても我らがコメンテーターの玉川さんは19日に羽鳥モーニングショーに復帰する。そして、経緯を説明するという。
玉川さんがどこでどう間違えて、誤った情報を発信してしまったのか、そこところが一番の関心事だ。
玉川さん一人で情報収集しているわけではないと思っているが、こんなケアレスミスが生じたことはいかな玉川ファンとしてもあってはならないこととして、気になってしまう。
ただ、玉川さんの正義感、少し偏見傾向はあるのかもしれないけれどあの強く、論理的な主張が待ち遠しい。
頑張れ玉川さん!
ランキングに参加しています。気に入っていただけましたら