退職老人となってからは、市が行う特定検診を受診してきた。
毎年時期が来ると受診案内や検査キットが送られてくる。
ところが今年は様子が違った。
カミさんの分は検尿コップなどが入った分厚い封書だが、私のは紙切れ一枚。
それには「同封している受診券は75歳の誕生日からは使用できません」とあった。
75歳からは後期高齢者医療保険に加入するので、国保が対象の特定検診は受診できないというわけだ。
使用可能期間の短い受診券が送られてきた
市の集団検診は11月に行われるが私はその前に後期高齢者になってしまい受診資格を失う。
後期高齢者を対象とした集団検診はなく、個別に病院などを受診することになるらしい。
また、高血圧などの治療中の人は、後期高齢者検診は受診の必要はないということなので、ま、早く言えば健康診断を受けるような年齢ではなくなったということだ。
これが後期高齢者を意識した最初の出来事だった。
次に後期高齢者を嫌でも意識させられたのは誕生日が近づいたころ、後期高齢者医療保険の保険証が送られてきた時だ。
後期高齢者になったこと自体はそれほど驚かなかったけれど、保険証に記されている窓口負担割合が3割になっているのには驚いた。
高齢になったら負担が軽くなるとばかり思っていたが、逆に重くなっていた。
この重くなっていたといいうのは私の思い違いで、実は国保のころから3割だったのだ。
後期高齢者医療制度になったことで負担割合に意識が行ったというのが正確なところ。
そこであれこれ調べてみたところ、70代になるまでは3割負担だったが、70歳になって2割負担となり、昨年の8月から3割負担になっていることが分かった。
つまり後期高齢者になったから負担が増えたのではなく、昨年の所得が反映されるようになってから、窓口負担が3割に増えたのだ。後期高齢者になるまでは窓口負担が増えたことなど気にもしないでいた。呑気なものだ。
つまり昨年の所得が多かったということになるが、しがない年金生活者、そんなことがあるのだろうかと考えてハタと気が付いた。
昨年は確定申告の際に、株の譲渡益を申告したのだ。そのことで現役なみの所得があるとみなされ、窓口負担のアップになったという次第。
多くの方がご存じの通り、特定口座で運用していれば特に株の譲渡益を申告する必要がない。
だが、ちょっと欲を出して、申告して所得を合算することにより、2割天引きされた譲渡益税を取り戻そうとしたのだった。
年金生活者だから、合算しても所得税は2割も取られない。
そして計画通り、多額の(我々にしてみれば)還付金を受け取ることが出来たのだが計画通りには進まないのが世の常。
ここへきて、健康保険の窓口負担アップという事態に
ここで少しおまけを。
現役並みとみなされたことになかなか納得できず課税証明書を取って確認した。
その証明書はマイナンバーカードを使ってコンビニで出力した。
最初は暗証番号を確認していくのを忘れ発行できなかったが、仕切り直し一回で何とか出力できた。
不安があったけれど、危険を取り除くための配慮がたくさん施されていて感心した。
一番いいなと思ったのは、暗証番号の確認が終わったら、カードを取り除かなければ次の操作ができないように設計されていること。これなら一番心配な取り忘れが防げそうだ。
わざわざ役所に行かなくてもコンビニで発行できるというのは実に便利だと思った。
新しいことには何でも早く慣れるが勝ちだ。
もう一つ、一緒に送付された冊子を読んでいたら手続きをすれば負担割合を減らせそうなこと。
これはコンビニでとはいかないので近いうちに市役所に確かめてみるつもり。
もう一つ、私が後期高齢者となり国保から抜けたことにより、カミさんの窓口負担が2割になったという通知があったこと。
現役でバリバリ働いている高齢者の方が、75歳になったとたんに後期高齢者医療制度に組み込まれ、それまでの健康保険より負担がぐっと高くなり、おまけに配偶者の方も健康保険から脱退させられて国保に加入、今までは払っていなかった国保税がかかって大変だという話を聞くと、我々はむしろ恵まれているのかなとも思う。
以上、ちょっと欲をかいたために思わぬ負担を強いられたというお粗末でした。
こういうのを「女房さかしゅうして牛売り損なう」と言うのですよね。
高校の時習った気がします。
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