退職老人のティータイムは、ドラマ三昧。「やすらぎの刻」、「なつぞら」、「おしん」。

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桑の実

NHK朝ドラ、しっかり見だしたのは退職前後からだ。
宮崎あおいの『純情きらり』や落語家を目指す貫地谷しほりの『ちりとてちん』など記憶に残っている。
退職後二度の勤めを終えた今、ティータイムは老夫婦で録画した連ドラを楽しんでいる。
今は、再放映している「おしん」と現在進行中の「なつぞら」そしてテレビ朝日、「やすらぎの郷」の続編、「やすらぎの刻」をトータルで50分間見る。
3本とも戦争をはさんだ時代を背景にしている。
3本の中でやはり一番共感できるのは「おしん」だ。
もっとも私は戦後生まれで、戦争体験は両親や姉、周りの大人たちから聞いて育っただけであるが、「おしん」は作者橋田寿賀子が実際に生きた時代の物語であり、その当時の人たちに取材したことを拠り所としており、実在感がしっかりと伝わってくるのだ。
もちろん、おしんを熱演した小林綾子は私の子供と同じ世代だから、戦前の暮らしなど全く知らない。
ただ、周りの役者の多くは体験者であり、そうした体験が小林綾子や、田中裕子に伝わっていたに違いないと再度見ながら思った。
翻って、現在のドラマは舞台は戦前をはさんで「おしん」と同じであるが、「おしん」放映時からは36年の時が経過している。
従って、現在の40歳代より若い人たちは、我々が時代劇を見ていた感覚で、戦前の風景を見ているのではないかと思うと、これはどうしようもないとあきらめざるを得ない。
そして、この感覚の違和感は出てくる役者のきれいな顔つき、背の高さ、言葉の使い方などからもどうしても感じてしまい、イマイチ作品にのめりこめない。
 
写真は、このところの暑さで熟し始めた桑の実。戦後の食糧難のころは、田舎の子供たちの格好のおやつだったが、今時の子供には見向きもされないだろう。
アンチエイジングの効果が高いとして、また人気が出てきているという。
昔の子供、カミさんの好物だ。