鼻腔胃カメラ検査体験記

民間の専門健康検査機関で健康診断を受けた。 

検尿、検便、血圧測定、身体測定、視力・聴力検査、心電図、血液検査、胸のレントゲン、医師の問診と続いた。

検査は、検査者が検査システムの画面を見ながら被検査者が少ない検査ポイントに誘導し、迅速な検査を目指している。

医師の問診の際、「これから胃カメラの検査を受けるんですが、今回初めて口腔カメラではなく鼻腔カメラを選んだんですが、鼻腔は楽なんでしょうか。」と問うと年配の男性医師は笑いながら「鼻腔による胃カメラ検査が楽だという人が7割でしょうな。」と言った。

胃カメラは7回くらい飲んだが、最初の苦しい体験が恐怖となって体に染みついていた。


10年くらい前まではかかりつけ医のところで受けていた。
この時は軽い麻酔注射を使ってくれていたので比較的楽ではあった。
ただ、かかりつけ医は胃カメラや大腸ファイバースコープなどの検査はやめてしまったので、このところは胃カメラを敬遠して胃のレントゲンばかり選択していた。

 

今回鼻腔胃カメラは系列病院で実施するというので、、タクシーによる送迎付き(といっても検査費用の中に算定されているのだろう)で行く。
同乗者は30代くらいの男性。
口腔胃カメラはしんどいので、初めて鼻腔カメラを選択したと私と同じ理由だった。

 

検査の前に測った血圧計は103~160と上昇し、キンチョールの私は極度の緊張状態だっった。
看護師さんは親切な人で、カメラの飲み方やカメラが入っているときの視線は遠くを見るようにと背中をさすりながらアドバイスしてくれた。

医師は両方の鼻腔に麻酔を入れたので、2度するのかと思ったら、「右がいいですか、左がいいですか」と尋ねた。
ベッドに左を下に横になっていたので右の鼻腔が上になっており、入れやすいのではないかと思い右でお願いしますと言った。

 

鼻の奥にカメラが抜けるとき、「ウっ」と来るものがあったが、すぐ通り越したので、口腔カメラが喉を通るときのような強い異物感はなかった。
それでものどの違和感や弱い嗚咽感が続き、早く終わってくれと念じていた。

看護師さんは鼻で息を吸って口で吐いてとか、目をつむらないように遠くを見てと優しく背中をさすってくれて大いに助かった。
終わった後、あなたが優しくしてくれたおかげでずいぶん楽にできたとお礼を言った。

 

医師から結果について説明を受けた。
食道から胃に繋がるあたりに炎症の後が見られる。
加齢現象に伴う筋肉の劣化などの原因で、、胃酸が食道へ逆流する状況で食道裂孔ヘルニアというが、見た限り治療を要する状態ではない。
胃表面の時々白く光っているのがピロリ菌除菌の跡で、ピロリ菌の除菌の効果が認められる。
いくつかポリープがあるがいずれも良性であり心配ないとのことだった。

 

この10年、胃の検査と言えばレントゲンばかりを受けてきたが、胃カメラで写した写真を見ながら説明を受けるとなるほどと納得できるし、実際にきれいな胃の表面を見るとまだまだいけるなあと自信にもつながった。

 

帰りのタクシーの中で同乗者に鼻腔カメラはどうだったと感想を聞くと「実は私は鼻の穴が狭くてカメラを入れると痛くてカメラが入らないので、口腔カメラになりました。
でもお医者さんの腕がいいのか、苦しいことは何もなくて、これからは指名でここの先生にお願いしようと思っています」と言った。
口腔胃カメラは操作する医師の技術や経験に大変左右されるというと彼も同感だった。f:id:inoko2019:20190508130332j:plain

その意味で言えば鼻腔カメラが当たりはずれがないように思った。