最近、立憲民主党の存在感が感じられない。
影が薄い。
力強いメッセージや活動の状況が伝わってこない。
昨年10月の衆議院議員総選挙前の期待感は、総選挙の決定的な敗北で全く地に落ちてしまっている。
そして立憲民主党は枝野代表が引責辞任し、代表選を実施して泉健太代表が選出された。
役員人事も代表選を争った西村智奈美候補が幹事長に、同じく逢坂誠二候補が代表代行に、小川淳也候補が政務調査会長に就任した。
しかし代表を争った相手候補者すべてを党の重要ポストに配置する、いわゆるお友達人事をせざるを得ないところに、立憲民主党の人材難があると言わざるを得ない。
ただ、代表選直後の泉代表の演説には、堂々とした態度やしっかりとした口調に誠実さや清新さが伝わって大変好感を持った。
しかしどうだろう。
この間の事態、例えば、共産党とれいわ新選組を外した野党4会派(立憲、国民民主、有志の会、日本維新の会)の定例会の開催・連携を提案し、共産党の大反発を招くと一夜にして撤回に追い込まれるという醜態を演じた。
また、昨年10月に就任した連合の芳野新会長には共産党との決別を迫られて腰がふらついているのを目の当たりにすると、泉代表の経験不足や優柔不断な一面が見えるような気がする。
私は泉代表が就任時の記者会見で述べた発言内容にあらためて注目した。
その一つは今後どのような政党にしていきたいかと問われると、「これまで立憲民主党として様々な国会活動を行ってくる中で常に『自民党と戦っている政党』というイメージがあった。
これはこれで間違いではないのですが、やはり原点には、国民の皆様に何をお届けするかということが大事である」
「ともすれば自民党の方ばかり見てしまい、対抗してしまって、国民の側に対する説明、発信、こういうものが弱くなっていたのではないか」
「やはり立憲民主党の政策、立憲民主党の考え方をできるだけ多くの国民の皆様に理解していただいて、味方を増やしていく。
共感していただける方を増やしていくことが重要ではないのか」と回答したとあった。
しかし、野党第一党の国政での役割は政権・与党に対して徹底した戦う党であることを示す以外に他にないではないかと私は思う。
政権・与党が公正・誠実・国民の幸福実現のために政策を実行しているかを監視し、是とすることには協力し、非とするところには徹底した批判を展開し、対案を提案し国民の選択を仰ぐことに尽きるではないか。
国民への説明はその戦いの中で当然に周知され、理解を深めていくことなのだと思う。
「国民の側に対する説明、発信」というけれど、地方の市区町村議員数は公明党2709、共産党2503、自民党2180、立憲民主党463、国民民主党203(2019年12.31総務省)であり、立憲の地方議員数は圧倒的に少ないのである。
これで国民の皆様にどうやって届けることができるのかと首をかしげる。
もっと地道に地方議員を増やし地方組織の強化に専念しなければならないと思わざるを得ない。
連合などの組合目線を気にしなければならない現状から、そろそろ真に国民に寄り添う党へ脱皮することを目指すべきだ。
組合、組合、おらが企業が第一主義の大企業組合の連合に頭を下げなければならないことこそ問題だ。何が国民の理解をですかと言いたい。
そして、立憲の人材不足は目に余る。
もっとも重要な衆議院予算委員会は、新年度の予算案の審議が現行憲法下で最速に匹敵する勢いで進んでいるという記事を読んだ。
その背景は昨年の総選挙で辻元清美氏や今井雅人氏などの論客の落選があるとあった。人事において今の立憲に自民党の真似などする余裕はないはずだ。
総選挙で敗れた責任は代表一人がとればいい。
その他大勢はそれこそ一丸となって政権との論戦に立ち向かう、かっての首相も代表も幹事長も一兵卒になって先頭に立たないと道は開けない。
汗をかけ、恥をかけと立憲民主党に奮起を促しながら、この先、立憲民主党は何処へ行くのかと暗い気持ちになる。
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