カキのおいしい季節、以前の記事に少し手を加えて再掲します。
生産者から直送してもらう牡蠣が本当に美味しい。
大好物の牡蠣なのでもちろん買って食べることもあるのだが、味が全然違う。
味の濃さが違うのだ。
市販の牡蠣はとにかく味が薄い。
送ってもらった牡蠣は旨味がギュッと凝縮された感じで美味しいのだ。
海はつながっているのに、どうしてこんなにも味が違うのだろうと考えてみた。
鮮度によるのだろうか。
それも多少は関係するかもしれないが、送ってもらった牡蠣は一度に食べきれないから数日に分けて食べるが、それでもうまい。
鮮度は決め手ではないように思える。
ある人から面白い話を聞いた。
「最近の牡蠣って、ほとんど生食用でしょう。生食用は美味しくないのよ。」というのだ。
言われてみれば、スーパーに売っている牡蠣の殆どは生食用と表記してある。
酢牡蠣も大好物なのだが、ノロウイルス騒ぎ以来、牡蠣を生で食べるということは全くしないようにしている。
だから、生食用である必要はないのだが、加熱して食べるにしてもなんとなく生食用のほうが新鮮な気がする。
加熱用は、生食できない、品質の落ちたものという感じがしてしまう。
そんな消費者心理を読むように、スーパーなどで売られている牡蠣の殆どは生食用だ。
ところがこれは大間違いなのだそうだ。
生食用と加熱用は鮮度の違いではない。生食用と表記するには、様々な基準をクリアする必要があり、清浄な水域で育った牡蠣を浄化してから出荷するのだそうだ。
浄化する過程で牡蠣の味が薄くなることは当然ありうるだろう。
加熱用ならその心配はなく、味の濃いものが楽しめるというわけだ。
生で食べることのほうが少ないと思われるのに、なぜ店頭には生食用が多いのだろう。これについても面白い話を聞いた。
「生食用のほうがなんとなく高級感があり、高く売れるから業者としてはつい基準に合致させて生食用にしてしまう」というのだ。
なるほど、さもありなん、と思った。
消費者心理と生産者の思惑が相まって、そういうことになってしまったらしい。
サラダ用に清浄栽培された野菜と、露地栽培の野菜の関係に似ているかもしれない。
度が過ぎた清潔指向が美味しい牡蠣を奪っているとすれば残念な話だ。
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