トランプ関税が全世界を震撼させた。
我が物顔のトランプ大統領、こんな謙虚さのみじんもない、下品な男をアメリカ国民はなぜ選ぶのだろうとアメリカ国民ではない私は頭を抱えたくなる。
いつも挨拶を交わす散歩仲間のじいさん、ばあさんも、このところ路上でのあいさつ代わりの言葉は「トランプがねえ」と顔をしかめながらの会話だ。
これから世界はどのような風景に変わっていくのか、老いも若きも、知者も凡人も、富者も貧者もほとんど変わらぬ意見で一致する。
今回のトランプショックはトランプ大統領のアメリカファーストで始まった。
アメリカファーストにするために、関税不均衡を掲げ、ディールという言葉を用いてトランプのビジネス世界と同様なあの手、この手、やくざの脅し文句、詐欺師の手練手管を駆使して世界を牛耳ろうとしている。
4月11日付朝日新聞には相互関税「第2弾」となる国・地域別の税率上乗せ発効を数時間後に控えた8日夜「どうか、どうか、取引を成立させてください。何でもしますから」。
トランプ氏は共和党議員を前にした演説でそうふざけ、会場の笑いを誘った。
関税の軽減を懇願してくる各国首脳の物まねだった。
「彼らは我々に電話をかけてきて、私の尻にキスをしている」とまで言った。
と記事にはあった。
こんな下品で野卑な大統領は見たことがない。
こんな男を許す世界はないはずなのだが、それが世界で最も優位な立場に立つ、アメリカ大統領の振る舞いなのだ。
とはいえ、相手は世界第一の強国アメリカ合衆国大統領だ。
まともに喧嘩して勝てる相手ではないことは小学生だって知っている。
世界各国のリーダーが右往左往している。
ただ一人、対抗しているのは中国だ。
共産主義独裁国家中国は国土においても人口においても資源においても、アメリカ合衆国を凌駕しており、耐える力もディールの力も数千年の長い歴史の様々な体験をもとにして、したたかに対抗している。
アメリカとの武力衝突でもない限り、経済、金融、農業、工業など戦争以外のあらゆる分野において、恐らく頭を下げることはないだろうと私は思う。
アップルのiPhoneの生産の大半はなんと中国で行われている。
このため、輸入されるアイホーンの高関税にアメリカ国民は耐えられるのか。
元々はアメリカで作られた携帯電話やスマホの生産が様々な理由で、格安の労働力や建設費などを理由として中国で生産されて逆輸入された結果なのだから皮肉なものだ。
しかしながら、相互関税が発動されて刻々と状況が変化し、問題点が顕在化する中でトランプディールは舌の根も乾かない間に、朝令暮改のごとく書き換えられて、相互関税の90日間停止やスマホ、パソコンなど電子機器や部品は中国製品についても軽減すると発表した。まさに君子は豹変だ。
トランプ大統領はロシアのウクライナ侵略に対するロシア寄りの停戦案やハマスとイスラエルとの間の停戦案を提示したけれど、協議は遅々として進んでいない。
デンマークの自治領グリーンランドに対するアメリカ領有表明やパナマ運河の返還要求等々傍若無人の主張を繰り返している。
プーチンのウクライナ侵略と同じだ。
結局、強国・大国が法の秩序を無視して植民地主義の時代に戻ろうとするのか。
民主主義国家の盟主アメリカ合衆国は何処に行ったのか。
アメリカファーストを声高に主張して、アメリカさえよくなればいいのか。
トランプのアメリカは何処へ行くのか。
アメリカ合衆国のお蔭で戦後民主主義を生きてきた、老い先短い後期高齢者の私はこうした状況が残念でならない。
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