『週刊朝日』の休刊 紙媒体の終焉が近いのか 新聞・月刊誌・週刊誌は何処へ

花屋さんには春の花がいっぱい。これはサクラソウだろうか。

週刊朝日が5月30日発売の6月9日号をもって休刊するという。

週刊朝日は日本最初の週刊誌だったということを知った。

これまで定期購読したことのある週刊誌はこの1誌だけだった。

定期購読をやめても、記事広告を見て、関心のある記事は時々購入して読んだ。

ちょうど一年前の2月15日発売の創刊100周年記念号を買ったのが最後の購読だった。

こういう事態になることは予測だにしていなかったので、100周年記念号を探してみたけれど、年末にでも廃品回収に出してしまったようで見つからなかった。



週刊朝日は1922年(大正11年)に創刊された日本最古の総合週刊誌という。

1950年代には100万部以上発行されたが、昨年12月の平均発行部数は約7万部という。

インターネットの普及でニュースを紙で読む文化は絶滅しかねない。

アリッサムも



そういえばもう10年以上前になるが、小さな社会福祉法人に勤務していたが、就職試験の面接で、今日の新聞記事で記憶に残った記事は何ですかと聞いた。

その時すべての学生が「新聞はとっていないので、読んでいません。」と答えたことに唖然とした。

あれから10年以上たっているのだから、新聞に限らず、週刊誌・月刊誌も大変な危機に直面していることは想像に難くない。

 

例えば新聞のこの10年の発行部数の推移はどうだろう。

一般紙は2002年には5320万部発行していたが、2012年4778万部となり、10年間で542万部10%減少した。

そして2022年には3085万部となり、この10年間では1693万部35.4%減と急激に減少しているのだ。



また月刊誌の休刊や廃刊も相次いでいる。

主な雑誌としては近代柔道(1979年~2022年7月)、

ボクシングマガジン(1979年~2022年7月)、

演劇界(1943年~2022年3月)、

セブンティーン(1968年6月~2021年9月)、

ミセス(1961年9月~2021年3月)、

アサヒカメラ(1926年4月~2020年6月)など2020年以降も歴史ある雑誌の休刊・廃刊が続いている。

 

そしてネットメディアでは、インターネットで読み放題と銘打って週刊誌などの1000誌以上の雑誌が月額418円で読み放題と宣伝する。

これでは、紙媒体は勝てるはずもなかろうというものだ。

 

微妙な色合いのビオラも


こうした中で奮闘している雑誌社もある。

それは「文藝春秋社」だ。

文藝春秋は父と同居していた時父用に10年近く定期購読したのと、その後、時々買っていた文藝春秋の数独クイズが当たり、賞金を頂いたことから定期購読を再開し今に至っている。

 

文藝春秋社は週刊誌では有名な文春砲と呼ばれる「週刊文春」を発行している。

「週刊文春」の発行部数は47万5083万部で週刊誌発行部数ランキングのトップだ。

2位は「週刊現代」が35万7500部、

3位が「週刊ポスト」が30万2000部、

4位「週刊新潮」が29万4268部となっていた。

文春砲の突撃特ダネ取材はその精度が高く、政治家や有名人の不正・不当・不自然な行動に接近し続ける姿勢が高い発行部数につながっているのだと思う。

ただ、他の雑誌社がその姿勢を追いきれないのはなぜなのか、少し不思議な気がする。

アケボノアセビは満開までしばらくかかりそうだ



そして本家本元の月刊誌「文藝春秋」は2004年3月号は118万5000部(金原ひとみ、綿矢りさ芥川賞受賞作掲載)、

2015年9月号110万3000部(又吉直樹、羽田圭介芥川賞受賞作掲載)と2000年代に入って2度100万部越えを記録し、

令和5年2月号では発行部数64万部は総合月刊誌のトップですと宣伝文句で謳っている。

読者の心を動かす、タイムリーな記事の提示や読み物の興味、面白さが重なり合っているのだと思う。



さらに、文藝春秋のニュースサイト「文春オンライン」の2021年8月のPV(ページビュー)が、月間6億3094万PVとなったという記事が検索でヒットした。

ページビューとはブラウザにページが読み込まれる(再読み込される)ことで、ページビュー数とは、ユーザーがWebサイトのページにアクセスした回数のこととあった。

それにしてもインターネットの圧倒的な広がりを感じざるを得ない。

もはや紙媒体の生き残る道はないのかと思う一方、この文藝春秋社の奮闘ぶりを見ると、トップに存在することが生き残りの絶対条件であり、文藝春秋社以外の新聞・雑誌社は単にインターネット社会という時代に負けたというよりも、その前に文藝春秋社に負けたという現実があったことを知った。

 

 

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