昨年は物がよく壊れた年だった。
DVD録画機、テレビ、パソコン、エアコン、生ごみ処理機など修理に出したもの、買い替えたものといろいろだったが、何かに呪われたように続いた。
まあ、金婚式もとっくに通過した高齢者世帯の証でもあるのだろう。
そして極めつけは年末のエコキュートの故障だった。
それは、突然だった。
いつものように風呂蓋を取って入ろうと足を挙げた途端、気が付いた。
お湯ではない、水だった。
自動お湯張り、焚き上げ機能がダウンしている。
ただ、浴室内シャワー、給湯機能は生きていた。
これならお湯をためることができるので、短期間であればエコキュートを交換するまでは入浴できるだろうと思った。
翌日、地元の大手家電販売店に行き、現在使用しているエコキュートと同じ三菱製を希望し機器の交換工事について依頼をした。
次の日、担当者と技術者が来た。
10年以上使っており、修理は考えていなかった。
現場を確認し、とりあえず見積書を作成して持ってくるということだった。
翌日、見積書の提出があり、多分契約することになると伝えた。
数日後契約について連絡し契約日時を決めた。
契約前日に担当者から電話があって、明日は別件で外出しなければならなくなったといったが、買い物もあるので、こちらから出向いてもかまわないといって午前11時から12時までに行く旨伝えた。
彼は代わりの担当者の名前を挙げて、よく伝えておくということだった。
そして、当日11時30分頃店を訪ねた。
レジの女性職員に今日の担当者の名前を告げるとその職員は今接客中で、まだ二人待っているというので、先に買い物を済ませてから寄ることにした。
買い物を済ませて再度訪ねたが、まだ来客対応中という。
少し待っていたら、気を利かせてくれたのか、別の職員で対応すると言った。
その職員が出てきて面談することになった。
契約に至る前に、2,3気になっていることを聞いた。
私の質問の仕方にムッとしたようだった。
多分、元々の担当者が不在で、その代わりも接客中、その後を対応させられることに不満があったのかもしれないと後で思った。
そんな経過の中で、この担当者は「本来の担当者もあなたが11時から12時に来ると言うので、ぎりぎり12時まで待っていたんですよ」と言い放った。
私は瞬間湯沸かし器になった。
「馬鹿なことを言うな!私たちは11時30分にはここに来たんだ。
契約の話をした担当者は別件があって外出すると事前に聞いていた。
だから、別の職員が対応するということになっていたんだ。
その職員も接客中ということであなたが出てきたんだ。」
と恥ずかしながら大声を出してしまった。
するとその職員はすっかりしょげ返った。
私は即座に席を立って店を出た。
その男は車まで付いてきたが、流石に優しい言葉は出てこなかった。
ということで、これからエコキュートの業者を探さなくてはならなくなった。
あてもなく、インターネットでエコキュート業者を調べていたら、ホームページが派手でない、製品の仕様、機能などの説明が丁寧でしっかりして、製品価格や工事価格が比較的安いサイトが気に入った。
ただし、その業者は高知市のエコキュート専門業者だったので、最初は二の足を踏んだ。
少し悩んだが、とりあえず電話してみようと電話した。
高知の業者が岡山の工事をどうやって行うのかと聞いた。
工事エリアは四国四県と広島県・岡山県でそれぞれの県に設置工事会社があるという説明だった。
その後の業者とのやり取りの中で、多分、各県で信頼のできる設置工事業者と契約し、高知市の本社はメーカーからの製品の仕入れとともに工事依頼者(お客)への営業、契約を行い、設置業者への製品の納入、工事現場の状況把握、工事手順の指示などを行う方式なのだということが分かってきた。
また、こうした中で私が驚いたのは、すべてがメールと電話のやり取りで段取りを進めていくことだった。
従って、現場で工事施工業者が必要とするであろう点については、
例えば搬入経路の状況やエコキュートの接地面が土であるか、
それともコンクリート面であるか、
分電盤の全体写真や、ふたを開けた状態での中のブレーカーが全部写っている写真など
見積価格に関わる必要事項について細かく工事依頼者に写真を撮り、メールに添付して送るよう指示してきた。
そして、工事日までには、エコキュートが搬入しやすいように搬入通路をできるだけ広くとるように依頼され、狭い庭の我が家のこうした片づけは優に半日はかかった。
これも安く買うための協力なのだろうが、こうしたことでよいものが安く買えるのはうれしい限りだ。
事実こうしたことが工事価格に反映され、同じ機種が大手家電などの価格よりも40000円ほど安い価格を実現できた。
この価格が工事受注業者のリモートによる様々な工夫や購入者の協力により実現できたこと、こういうやり方もネットビジネスの分野に入るのだろうと思った。
結局私が業者に直接会ったのは、工事日当日、施工業者の若い技術者と中年の助手の二人が初めてやってきたときだった。
工事を請けた高知の受注業者とは一度も面と向かって会うことはなく、パソコンと電話だけだった。
もちろん、終わって暖かい湯に入るまでは少し不安ではあったが、それは杞憂だった。
若い技術者は午前9時から午後4時ころまで、真面目にしっかり働いてくれた。
そうした働きぶりに信頼を増して、リモコンが壊れていたトイレ工事もお願いすることにした。
高知の業者から電話がかかってきた。
振り込み金額を収納したということの電話だったが、「トイレの工事がいただけたと岡山の業者が喜んでいました」とお礼を言われた。
アマゾンや楽天などのネットショッピングは頻繁に利用しているが、工事を伴うネットビジネスの利用は初めてだったが、何事もなくスムーズに進んだ。
こうしたビジネスがこれからはもっともっと進化していくのだろうと思った。
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