高齢者の安全運転のために 道路交通法の改正です

プリンセスシャーロットという名のアジサイ




昨年の4月、私は70~74歳を対象とする高齢者講習を初めて受けた。

運転免許センターの指導員の笑みを絶やさず、丁寧でやさしい態度が印象的だった。

 

でも、高齢者の運転事故は跡を絶たず、池袋の事故のように、運転する自動車の暴走で母子2人が死亡し大勢の負傷者を出した。

自分の運転ミスを頑迷固陋に認めず、自動車の車両異常を主張し続けた90歳の超高齢者のこの事故はまだ記憶に新しい。

 

私の町でも70代の高齢者が下校中の学童の列に突っ込んで死傷事故を起こした。

高齢者に対する法規制の強化は当然のことだと思うが、改正道交法の中身は、運転する高齢者によくよく配慮された優しい改正のように見えた。

 

高齢者に対する道路交通法の改正は今年5月13日に施行された。

改正の大きなポイントの一つは、高齢者の運転免許更新時に実車による運転技能検査が導入されたことだ。

いわゆる実車試験になるが、ただこの実車試験は、75歳以上で免許更新をする人のうち、誕生日の160日前までの3年間に信号無視や速度超過など一定の違反をした人に義務付けられる。

従って違反の無い人には実車試験はない。

違反をしたら実車試験がありますよという注意喚起は効果的だと思う。

高齢者同士の会話では実車試験を嫌う言葉をよく耳にする。

 

また、実車試験は繰り返し受検することはできるが、更新期間満了までに合格しなければ免許は更新されない。

認知機能検査により認知症と診断された場合は従来通り免許取り消しとなる。

結局、一定の違反を犯して受ける実車試験に受からない人と、明らかに認知症と診断された高齢者は免許が認められないということを明確にしたということでこれも当然のことだ。

メキシコ万年草だろうか、黄色い花が美しい




もう一つの大きなポイントは自動ブレーキなどを備えた安全運転サポート車(サポカー)に限って運転できる限定免許が導入されたことだ。

限定免許で運転できるのは、衝突被害軽減ブレーキ(自動ブレーキ)や踏み間違いや急発進などを抑制する機能を備えた車で、後付けの装置は対象外という。

ただ、対象車は4月21日現在国内メーカー8社、126車種、344型式(朝日新聞調)が販売されており、すでに標準装備になっているのではないかと思う。

 

この限定免許はオートマ免許と同じように、年齢にかかわらず誰でも選択取得することができるというが、限定免許を取得する直接的なメリットが見当たらない。

確かにあなた自身を守るメリットがあると言われればそうだけれど、安全運転サポート車に限って運転する限定免許を申請した場合には、これこれのメリットがありますということにならなければ、限定免許をわざわざ申請する必要は感じられないように思うのだ。

自動車メーカー各社は現在、安全運転自動車の様々な開発に注力しており、わざわざ限定免許と謳って導入せずとも数年もたたずにサポートカーが大半となり、オートマ車のように普及し通常免許になるだろうと思う。

ただ、運転を続けたい高齢者ならば、できるだけ早く安全運転サポート車(サポカー)に買い替えるべきだとは私も思う。

残留孤児ならぬ残留鴨。何が原因なのか、一羽残って何を思う



そして、サポカーは高齢者にとってより安全な車として、免許証返納以外の選択肢になるだろう。

とりわけ、山間部に住む高齢者に取って、サポカーによって、できるだけ長く運転をして、日常生活の支えになる暮らしが営めることは素晴らしいことだと思う。

その意味では高齢者が限定免許を申請した場合のメリット策として、例えば高齢者のサポカー購入補助金などの新設により、高齢者の安全安心の車の買い替えを支援すべきではないだろうか。

 

「こんな田舎で、車を手放してどうやって暮らして行けと言うのか」と子供たちからの「車を運転しないように」との説得に、嘆き怒っていた、叔父さんの顔が浮かんだ。

 

やはり超高齢社会を維持していくには最終的には自動運転車の普及だろうと思った。

 

ランキングに参加しています。気に入っていただけましたら、

↓をクリックして応援してください。

 


全般ランキング