先日、賽銭泥棒が捕まったニュースをテレビで見た。
神社の賽銭箱の前で神妙に手を合わせていたが、人の気配がないと見るやポケットから取り出した長い火箸のようなものを賽銭箱に差し込んで、多分先端にライトが点灯する仕掛けになっているのだろう、賽銭箱を覗き込みながら、紙幣をつまんで取り出していた。
その様子がばっちり防犯カメラに録画されているのだ。
もう逃げようがない。
また、留守宅に侵入した泥棒の一部始終が防犯カメラ、と言っても室内を録画するための私的な防犯カメラにとらえられていた。
どういう意図で室内に設置しているのか、やはり泥棒対策なのだろうか、用意周到な人がいるものだと思ったが、映った泥棒は知人だったというから、時代を写す鏡のように思う。
さらに、自宅の周囲の様子を見張る防犯灯を設置し、数人のグループが侵入する様子を防犯カメラで撮影し、木刀を持って追い返した80代のじいさんの武者姿もニュースで見た。
事程左様に、防犯カメラはスーパーやコンビニはもとよりデパート、ステーション、商店街、公園、個人宅などなどいたるところに設置されており、今や犯罪捜査には欠かせないツールとなっている。
もう15年くらい前になるけれどもある市の職員だったころ、議会の陳情案件として防犯カメラ設置反対陳情が提出された。
当時はプライバシーの侵害や監視社会の横行を危惧する声が多くあり、賛否は拮抗していたように記憶している。
ただ、防犯カメラは次第に確実に浸透して来て、ウオーキングの最中にも学童通学路や個人宅にカメラと同時に自動点灯する防犯灯などの設置を見かける。
今や全国で500万台を超える防犯カメラが設置されているという。
私も過日、その効用を体験した。
近所のスーパーで買い物し、レジで精算するかみさんを待っていた。
レジは2メートルほど離れたところ、ショッピングバッグに今日の買い物を詰めてかみさんが戻ってきた。
戻ってきた途端に、カードがないと言った。
「今、持っていたのに、確かに店員さんから渡してもらったんだけど」と言って、手提げバックやいつも入れる財布の中など探したが見つからなかった。
レジのところに行って、床に落ちていないか確かめたがなかった。
私は最近、記憶力が低下しているからなあと思いながら(もちろん口には出して言わないが)、どこかにあるだろうと結構楽観していた。
「まあ、誰か拾って届けてくれることもあるから、とりあえず、届け出して帰ろうよ」とかみさんを促し、休憩所でかみさんと職員の様子を見ながら待っていた。
なかなか済まないので様子を見に行った。
すると職員のほうから「防犯カメラの様子を確認したらどうか」と提案があったのでお願いして待っているのだという。
少し待っていたら、カメラ映像を確認した職員から「受け取られたカードをスマートフォンのケースの中に入れられていました」と連絡があった。
早速、手帳型スマートフォンを取り出して開くとカードは確かにそこにあった。
めでたし、めでたしではあるが、「恐るべし防犯カメラ」の体験だった。
ランキングに参加しています。気に入っていただけましたら、
↓をクリックして応援してください。