新型コロナウイルスの3つの素朴な疑問 政府のきちんとした説明が欲しい! 

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大きな万年青の実を見つけた


新型コロナウイルスによる2度目の非常事態宣言は3月7日まで延長されたけれど、多くの国民の協力により、新規感染者数は目に見えて減少してきている。

今日のテレビは街に出る人の数はあまり減っていないと報じていたが、今の感染者数は2週間前の感染状況を映し出しており、今の感染状況は2週間後に現れるのだから何ともややこしい。

 

この新型コロナウイルスが我が国に登場して1年が経つ。

 

私は我が国の新型コロナウイルス対策のニュースを読みながらいつも3つの疑問が湧く。

それらについては、ワイドショーや報道特集やニュース解説などでいろいろと聞いてはいるが、何が真実なのかがわからない。

あふれる情報の渦の中で、国の公式見解をぜひ聞きたいのだ。

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馬酔木の花芽も膨らみ始めた


 

その一つはPCR検査のことだ。

PCR検査は感染拡大を防ぐ最大の検査として、各国で採用されており、現在、新型コロナ対策に成功していると言われている中国や台湾、ニュージーランド、オーストラリアなどでは徹底した検査と隔離政策が採られている。

感染がもっとも拡大したアメリカでは、少し古い数字ではあるが昨年11月30日までの検査数は累計1億9114万余件、アメリカの総人口の58%の検査を実施したということだ。

 

一方、日本では今年2月5日現在、一日33,043人実施していた。

過去最大の検査数は昨年9月29日の103,043人で、累計では6,731,473人となっており実施率は5.3%に過ぎない。(厚労省ホームページ)

 

コロナ対策の当初のころ、国の感染症対策はもっぱら厚労省の医系技官の領域にあり、検査をクラスターや濃厚接触者に限定的に実施する方針としたという説や、むやみやたらに検査しても陽性者を発見できる数はコンマ以下であり保健所が疲弊するだけだという説など検査の拡大には否定的であったという。従って、政権中枢がいくら検査拡大を叫んでも大幅な拡大には進まなかったのだという。

 

本当のところはどうなのだろうか。

 

一方、無症状者を見つけ出して隔離しなければ最終的に感染の拡大を防止することはできないという説がある。

世界の趨勢が徹底した検査に向かう中、日本の検査方針については国にはもっとわかりやすく説明してもらいたいものだと思う。

 

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冬の路傍のきのこ 毒キノコ?


 

二つ目の疑問は医療崩壊の問題である。

 

日本の病床数は人口当たり世界一という。

ICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)はアメリカ、ドイツについで3番目の保有率であり、CTやMRI保有数も世界一だという。

 

単純に世の中を見回して、何と病院の多いことかと思っていたが、この緊急時に病床が不足する、医療崩壊だといわれてもにわかに信じがたい思いをするのは私だけなのだろうか。

よくいわれるようにいくら病床があっても専門的な医師や看護師の数が限られている中で、感染者の急増に対応する体制が取れなくなっているという説明は理解できる。

 

医師・医療経済ジャーナリストの森田洋之氏は、文芸春秋2月号「日本だけなぜ医療崩壊が起きる」の中で次のように述べている。

 

「要するに日本の医療システムには、病床やスタッフを機敏に増減させられる『縦の機動性』も欠如していれば、それらを充足地域から不足地域へと横に移動させる『横の機動性』も欠如しているのである。」

この指摘も的を射ているように思う。

こうしたことは、それこそ菅首相得意の政治主導で何とかならないものかと思うのだが、国はまったく知らぬ顔の半兵衛を決め込んでいるようにしか見えない。

 

昨日のニュースで、軽症・中等症のコロナ患者の多くは4~5日の入院でPCR検査が陰性であれば療養病棟への転院で十分なのだが、コロナ患者であることを理由に転院が進まないという問題点をあげていた。

こうした事例なども政府(行政機関)が間に立って、不安の解消に努め、それこそ万一の場合は、損失補償の手当てをすることを明確にすれば速やかに解決するように思うのだが、とにかく説明、説得、PRが足りなさすぎるのではないかと思ってしまう。

 

三つめはワクチンのことだ。

 

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ボケの花

新型コロナワクチンはアメリカ・ファイザー製、モデルナ製、イギリス・アストラゼネカ製など海外メーカーとの契約が進んでいるという。

ただ、先進7か国(G7)でいまだにワクチン接種が行われていないのは日本だけという。

菅首相は2月中旬からワクチン接種を始めるというが、決まっているのは医療従事者への1万本だけだとモーニングショーで報じていた。

 

こうした中、日本の科学技術はどうしたことかと素朴な疑問がわく。

毎年のように理化学者のノーベル賞受賞者を輩出している分野で、日本のワクチン開発はどうなっているのかと疑問を持たずにはいられない。

 

日本学術会議の会員候補者を排除している場合ではないだろうと思ってしまう。

重箱の隅をつつくような難癖をつけて権力者が悦に入っている場合ではないのだ。年間10億円の学術会議運営費に目くじらを立てている場合ではないのだ。

 

日本の科学技術が遅れを取ったのは、目先の金になる儲け話にうつつを抜かして、予算配分をしてきた官僚や政治家の責任と言っても過言ではないと思う。

地道な基礎的研究を支援する、学問の本道を支えておかなければならなかったということだと心底私は思う。

 

新型コロナウイルスはこうした手抜かりのすきを突いてしたたかに挑戦してくるのだ。

 ワクチンは政府の言うような計画で本当に実施できるのか。再び後手後手に回って、弁明や弁解のダッチロールを繰り返してもらいたくない。

私は政府にここであげた三つの疑問に筋の通った説明をしていただきたいのだ。

 

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