今日8月6日は広島に原爆が投下されて75年目の記憶すべき一日。安倍首相のスピーチにガッカリ(期待していなかったけれど)

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原爆ドーム 昨年夏撮影



今日8月6日は広島に原爆が投下されて75年目の記憶すべき一日だった。

 

私は子供のころ、広島県の県北の町で育った。

戦後生まれで、原爆被災者の状況は直接は知らないが、当時芸備線沿線にも被災者が避難して、戦後そのまま定住していて、私の家の近くの駄菓子屋の一家はそういう身の上の方達だった。

 

被爆者が負傷を負いながら避難してきた状況などは何度か土地の人たちから聞いたことはあったが、被爆者の方から直接被曝した状況を聞くことはなかった。

 

小学生の時は、原爆症にかかって亡くなる佐々木禎子さんの映画「千羽鶴」を巡回映画などで何度も見た。

 

 

 

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仙人草の白い花

8月6日の登校日は

「ふるさとの街焼かれ 身寄りの骨うめし焼け土に 今は白い花咲く ああ許すまじ原爆を 三度許すまじ原爆を われらの街に」

 

という「原爆許すまじ」を歌った。

 

他県で暮らすようになり広島県以外の友人にこの歌のことを聞いたことがあったが、ほとんどの人が知らないといった。

また以前は、8月6日広島市での式典に向けて、全国各地からの原水爆禁止平和行進などの状況が連日ニュースになっていて、私の今住んでいる町でも夏の風物詩になっていたのだが、見かけなくなったような気がする。

どうなったのだろうとインターネットで調べてみたら、原水協通信というホームページでは、全国各地での行進の模様を伝えていた。

その中に我が岡山県でも7月16~26日に県内を行進とあった。

知らぬは私だけなのだろうか。

脈々と平和運動は続けられているのだとあらためてそういう方たちの努力に、無知と無関心の私は恥じ入るばかりだった。

 

今年の原爆被爆者慰霊祭は新型コロナウイルスの感染防止のため、参列席は被爆者や遺族など関係者880席に限定され、入場が規制されたという。

 

式典で松井広島市長は

「日本政府には、核保有国と非核保有国の橋渡し役をしっかりと果すためにも、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いを誠実に受け止めて、同条約の締約国になり、唯一の戦争被曝国として、世界中の人々が被爆ヒロシマの心に共感し、『連帯』するよう訴えていただきたい」

と述べ、政府に条約への参加を求めた。

 

核兵器禁止条約については、2017年7月7日に122か国・地域の賛成多数により採択されたが(我が国は不参加)、2020年8月5日現在、条約に署名した国は81、批准した国は40と大多数を占めているわけではない。

我が国としてはアメリカの核の傘に守られながら、核兵器禁止条約を締約するという矛盾に到底アメリカの圧力に抗しきれないということなのだろう。

 

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平和記念式典が行われた平和記念公園(昨年撮影)

同じ式典で安倍首相は

「広島と長崎で起きた惨禍、それによってもたらされた人々の苦しみは、二度と繰り返してはいけません。唯一の戦争被爆国として、『核兵器のない世界』の実現に向けた国際社会の努力を一歩一歩、着実に前に進めることは、我が国の変わらぬ使命です。」

 

とまたまた、きれいごとを述べる。

核兵器禁止条約のことなど一言も言わない。

「一歩一歩着実に前に進めるために」と述べながら具体的なことは何も言わない安倍流なのだ。

 

アメリカの核の傘にいることは現実である。

しかし、核兵器のない世界への希求はこそは、唯一の被爆国としての揺るがせにできない願いなのではないか。

 

例え現実と矛盾したとしても揺るがせにできないところはしっかりと守ってもらいたいのだ。

少なくとも、安倍首相の核兵器禁止条約不参加の気持ちはしっかりと国民に説明すべきだ。

それが一国のリーダーの姿だ。

何も言わずに素通りはないだろうと思う。

 

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