ゴールデンウィークのテレビ三昧で知った、公文書管理の大切さ。

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ゴールデンウィークは、どこにも出かけず家庭菜園に精を出したり、テレビを見たりして過ごした。

その中から印象に残ったもの3本ついて記しておくことにする。

 

一番印象に残ったのは5月2日放送のETV特集「義男さんと憲法誕生」という番組。義男さんとは福島県出身の法学者、弁護士、政治家で日本国憲法の制定に深く関わった人物。

「ぎだんさん」の愛称で親しまれていたそうだ。

その人となりについては出身の東北学院のホームページに詳しい。

戦後民主主義の教育を受けて育った我々にとって、「日本国憲法」は誇らしい存在だが、鈴木義男という人についてはほぼ何も知らなかった。

お恥ずかしい次第。

 

毎年憲法記念日の前後には憲法についての番組は放送されるが、今回の特集は出色の出来だった。

ドラマ仕立てで親しみやすく、わかりやすいというのも良かった。

 

憲法を変えようという動きの中には、戦後アメリカから押し付けられたからという理由があげられることが多いが、この番組を見ると、押し付けられたどころか、原案に更に進んだ内容が付け加えられたことがわかる。

その中心になったのが義男さんなのだが、その様子は最近発見された資料で明らかになったという。

 

秘密会で行われていた「帝国憲法改正少委員会速記録」が残っていたのだ。

司会を努めた芦田均の次に発言が多いのが鈴木義男さん。

 

番組のホームページによれば、

「9条の平和主義、25条の生存権、国家賠償請求権、刑事補償請求権の追加を求め、三権分立の確立を目指す」、とある。

ドラマ仕立ての小委員会の様子は迫力があり見ものだ。

鈴木義男役は鶴見辰吾

はじめはそれとわからないほど役になりきっていて、よく演じていた。

 

 

一番心に残ったのは、秘密会の速記録がきちんと取られていて、しかも保存され今回公開されたということだ。

近年の安倍内閣による公文書の扱いとの差は驚くばかりだ。

 

記録を取ること、それをきちんと保存することは、歴史に対する尊敬でもある。

後年の批判に耐えるような議論を行い、しっかり記録し、保存することの大切さもこの番組は教えてくれた。

 

ETV特集という地味な番組なので、目に触れる機会が少ないと思うが、見逃し番組配信機能などを利用して視聴してほしい番組だ。

 

さて、コロナの影響で、新しく収録できない番組も多く、再放送が多かったがそれが幸いして見逃したものを見ることができたという思わぬ成果もあった。

 

その一つがBS1スペシャル『独占告白 渡辺恒雄~戦後政治はこうして作られた 昭和編』

これは偶然放送を知って、予約録画して見た。

彼が共産党員であったことは、何で知ったのだろうか。思い出せないが、その彼が、なぜ今のような位置に立つようになったのか興味があった。

 

その経緯は面白かったが、核心部分にはついに触れられないままであった。

インタビュアーの切り込みが足りなかったのか、編集でカットされたのか。

2回見たがよくわからなかった。

私なりに推測したことがあるけれど、昭和編というからには平成編もあるはず、それを待って触れてみたい。

 

次は今も再放送中だが、『いだてん』。

昨年放送されたときは、見るには見たが、難しくてよくわからなかった。

時と人物の交錯についていけなかった。視聴率の低迷もむべなるかなだ。 

 

やっと面白さがわかり始めたのは、戦後の東京オリンピック招致に関するあたりから。

 

この度再放送を見て、やっと構成や作者の意図がわかるようになり、なるほどこうだったのかと楽しんでいる。

びっくりしたのは、途中降板した足袋屋の播磨屋役が、最初から代役の三宅弘城担っていること。

全部取り直したのだろうか、共演者がいることなのに、本当にびっくりだ。

 

普段は繰り返し見ることの少ない番組を、改めて見たのはステイホームの思わぬ収穫だった。

 

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