びっくり仰天、とんでも大相撲改革私案

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                晩秋の日の出

 

大相撲九州場所は14勝1敗で横綱白鵬が43度目の優勝で閉じた。  

横綱白鵬以外、上位陣総崩れの中で、全く見どころに欠けた場所だった。

 序盤、二日目の土俵は関脇以上の上位陣すべてが敗れた。

関脇以上がすべて負けたのは今年の夏場所以来、大相撲史上二度目という。

 

今場所の休場力士は八日目までで横綱鶴竜大関豪栄道大関高安、関脇栃ノ心、平幕逸ノ城、友風、若隆景の7人を数えた。

幕内力士7人以上が休場するというのはレアケースで、調べてみると平成時代に入ってから今場所まで186場所を数えるがわずかに、7場所しかない。それも初めて7人の休場者が出たのは平成14年7月場所だった。

因みに平成に入ってから今場所まで、一年間の幕内の休場者数がもっとも多かった年は平成14年と29年の33人で、その内平成29年から今場所までの3年間は33人、30人、28人と最も多い休場者数を記録していた。

 

この数字は何を意味しているのだろうか。

よく指摘される原因に公傷制度の廃止や力士の大型化などがある。

公傷制度は昭和47年1月場所から始まり、平成15年11月場所を最後に廃止された。

平成10年ころまではむしろ休場者は少なく推移し、公傷制度が廃止されて以降に休場者が増加しているというのは皮肉な結果である。公傷制度で救済されない休場を良しとしない風潮があったのか、はたまた公傷制度が廃止されたことにより、休むことに抵抗がなくなったのか。いずれにしても、公傷制度の廃止と軌を一にして、休場者数が増加するというのも関取衆の微妙な主張の表れのような気がしないでもない。

また、力士の大型化は確かに負傷を生む原因の一つであろうことは容易に想像される。

 

こうした中、平成23年八百長事件が明るみに出た。

この事件は携帯電話のメールに残った「証拠」を突き付けられて逃れようがなくなった。

この事件の結果、相撲協会平成23年春場所の中止、年内巡業の中止を決定した。

 

大相撲の八百長問題は以前から度々噂されていた。

そして、この事件をきっかけとして、八百長事件の余韻が収まった平成25年から年間休場者数は18人、26年19人、27年21人、28年19人、29年33人、30年30人、令和元年(31年を含む)28人と明らかに増加していることに注目する。

 

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2019年球種場所番付表

作家の山田順さんは2017年12月に

 [毎日、毎日、日馬富士暴行事件のテレビの大報道が続いている。……はっきり言って、この問題は解決できない。なぜなら、そのためには「注射」(これをマスコミは八百長と呼んでいるがそうではない)と「ガチンコ」で成り立っていることを認め、それを前提としてどうするかを真剣に話し合わなければならないからだ。]

と「相撲の注射システムはどのように機能しているのか」の中で述べている。

 

要は大相撲は15日間全くのガチンコ勝負では成り立たない。

長い大相撲の歴史から生まれた知恵が身体を休めて星勘定をする注射システムであり、星取の調整が必要だったのだということだと理解した。

そして最近の関取衆の休場者数の推移を見ると、年6場所ガチンコ勝負を要求することはどだい無理なことなのだと思うようになった。

 

現在の年6場所制で15日間、いわゆる、スポーツマンシップのガチンコ勝負を求められてはいかに力士が過酷な修行に励み、身体をきたえたとしても、人間である以上限界があるのだと思うに至った。

格闘技の競技の中で、プロレスリングはショーと化して連日の興業を続けることはできるが、プロボクシングは次の試合までに一定期間の間隔を空けないといけないと定めている。

 

むろんアマのレスリング、ボクシング、柔道などの競技では15日間連続の試合を組むことなど考えられないことだろう。かっては「一年を二十日で暮らすよい男」と詠われた力士世界だけれど、そこまではいかないにしてももう少しどうにかならないものかと他人事ではあるが、同情を禁じ得ないのだ。

 

現行制度下で何もしないで、ガチンコ勝負を求め続ける協会のお偉方の姿勢こそ、現代スポーツの有り様とかけ離れたことをやっていると言わざるを得ないのだ。

 今の協会役員が現役時代に行っていたようなことがいけないのであれば、ここはやはり、存続可能なあるべき姿に改革すべきだと私は思案した。そして、ひねり出したのが下記の私案である。

<大相撲改革私案> 

〇年6場所制は維持する。 

本場所は年4場所とする。東京2、大阪1、名古屋1。

これによりしっかりとした休養と身体づくりができる。

番付は現行通り本場所の成績で決まる。 

〇残り2場所は福岡1、仙台か札幌で1とする。

本場所でない2場所は十両以上のオープン、体重別(軽、中、重)とし、ゴルフのような賞金獲得戦をそれぞれの階級ごとに5日制で予選から決勝までの15日間の中で組む。 

〇このオープン相撲の成績は本場所の番付には影響しない。

従って、休場により番付が下がるという不安は解消する。 

〇幕下以下についても、序の口・序二段と三段目・幕下のグループに分けて実施する。

そして、アマチュアからも社会人、大学、高校の全国大会ベスト5くらいの選手のオープン参加を認める。

アマの成績によっては幕下付け出しや三段目付け出しでの入門を認めるなどはどうだろうか。

というようなことを考えた。

 

国技大相撲を何と考えるかとお叱りを受けるかもしれないのだが、あえて提案したのは、このままでは、力士はみんな壊れてしまうと危惧せざるを得ないからだ。

 

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