朝のウォーキングでは実に様々な植物を目にする。
おなじみのものも多いが、名を知らない花で、帰宅してから確認することもある。
アレ?と思うのは本来ガーデニングなどで、庭や鉢に植えられていたはずの花が、野生化しているのを見る時だ。
その多くは外来種で、多分育てている人が善意で増えたものを街路樹の周りなどに植えたものだろう。
外来種の野生化で、セイタカアワダチソウが問題になったことは記憶に新しい。
その繁殖力には、人間の力では太刀打ちできそうにない。
岡山では、河川敷のオオキンケイギクが問題になっている。こちらも旺盛な繁殖力で、在来種を凌駕しそうだ。
秋の風景として定着した感があるが、近年は開花を待たずに国交省かどこかの役所が刈り取っている。
それでもその勢いは一向に衰えないどころが、上流部にも広がっているようだ。
人間や家畜に害を及ぼしたり、生態系に悪影響を与える植物は「特定外来植物」として法律で規制されている。
しかし、それら以外にも外来の植物はたくさん日本に定着している。
そして日本の風景の一部と化している。
外来種と意識されないほどに日本の風景に溶け込んでいるものも多い。
写真のヒメツルソバは、日当たりの良い水辺の至るところで見られる。しかし、元はと言えば園芸種で、現在販売もされている。
ツタバウンランも、石垣などですっかりおなじみだが、園芸店で販売されている。
耕作放棄地のミント
ハーブティーに使われるミントが、耕作放棄地にたくさん繁殖しているのを目にしたこともある。
これらのことをどう考えればいいのだろうか。
日本古来のものではない植物の繁茂に、眉をひそめるべきなのだろうか。
今回ちょっと調べてみてわかったのだが、すっかり日本の風景になっている植物も、外来のものがとても多いのだ。
いや、日本が原生地と言えるものはとても少ない。
菊は外来種?
菊は中国原産だし、れんげ 梅なども中国原産らしい。
すっかり日本の秋の風景になったコスモスはメキシコ原産、アザミはスコットランドというように、外来の植物が日本の風土を形作っていると行っても言い過ぎではないくらいだ。
園芸種の野生化も、風土に合っていればこそと言えるのかもしれない。
日本人の生活そのものが、すっかり洋風化している。
衣類を見ても、日常的に和服を着用している人はごく僅かだ。
住まいだって洋風になり、純日本建築の家屋に住んでいる人は皆無に近いだろう。
食べ物然り。
そういった生活に合った植物が好まれ、その中で日本の風土に合ったものが野生化してたくましく生きていると考えれば、そんなに悪いことでもない気がしてくる。
- それらの植物の野生化を防ぐことは、現実問題として不可能だ。
特定外来植物は別として、園芸植物の野生化は受け入れざるを得ないことなのだろう。
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