台風15号災害対応に、現在の日本国の想像力の貧困を見た

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台風15号の被害を報じる新聞記事

2019年9月8日~9日にかけて伊豆諸島や千葉県などを襲った台風15号の被害状況が明らかになるにつれて、今回の国等行政機関や東電の対応、またマスコミの報道の有り様について、モノ申さざるを得なくなった。

 

被災地のおびただしいブルーシートの光景を見ると、阪神淡路大震災を思い出した。

でも、あの時は、国は発生当日に災害対策本部を設置した。

 

今回はあれほどの規模ではないにしても、千葉県や伊豆諸島などを中心に広範囲の被害が生じていた。

鉄塔・電柱の倒壊による大規模、長期間にわたる停電、そして停電に伴って起こる断水や種々のシステム障害、機械類の破損、これまでに経験したことのないという(市原市に住む姉の言葉)暴風による家屋の損傷など多重多様な被害が生じている。

 

にもかかわらず、政府は内閣改造に浮かれ、マスコミも当初は何の疑問も持たないかのように改造人事に現を抜かしていたように思う。

 

結局、国は9月13日になって経済産業省に停電被害対策本部を設置したという。

しかし、大規模・広域災害発生時に必要なのは各省の縦割り災害本部ではなく、総合的な見地から判断を下す総理が本部長となる災害本部の設置こそが重要なのだと思う。

 

当初のコンパクト台風という予報から、このような規模に至るとは想定外だったというのかも知れないが、被災者からすれば想定外という言葉では済まされないだろう。

災害発生からの対応も誠に鈍い印象だった。

 

安倍総理の頭の中に、この災害の深刻さは全くなかったように思う。

日頃から安全保障や危機管理の専門家のような発言をされているが、首都圏域の中にある千葉県の被害状況への対応の不甲斐なさを見るにつけ、この人に日本の安全保障や将来を託して大丈夫なのかと思わざるを得ないのだ。

 

 

そして当事者の千葉県が対策本部を設置したのは9月10日という。

森田知事は台風15号による被害状況の把握や支援の遅れについて、定例記者会見で「確かにそういう部分もある。大きな反省材料としてやっていかなければならない」と述べたというが、大災害に見舞われた県の最高責任者として、何を寝ぼけたことをいうかと、被災に苦しんでいる千葉県民に成り代わって抗議をしたい気持ちだ。

 

この台風がもたらした災害が、当初は停電による東電の技術的対応で速やかに回復すると看過され、東電も又、東日本大震災の未曾有の経験をしていたにも関わらず、簡単に復電できるかのような安易な発言をしていた。

東電という会社、上層部は未だに上から目線でしかものをいうことを知らない、官僚よりももっと官僚的な会社だと思わざるを得ない。

 

今回の災害は初動で停電対応に視線が集中したけれど、同時に国や行政機関は台風の被害状況を消防力、警察力、自衛隊を最大限使って把握しなければならなかったのだ。

災害は声なき状況に安心できないということは、これまでの阪神淡路、東日本大震災でも明らかになっているではないか。災害発生から1週間経っても被害状況が確定しないということは、市町村レベルでの組織が機能しなくなっているということだ。

声が届かないところにこそ甚大な被害が生じているのだ。

 

だからこそ、当初の国の総合対策本部の設置による被害状況の調査把握の指示、各省庁や自治体間の連携調整、自衛隊の派遣、被害のない近隣自治体への避難所の確保、東電への対応などやるべきことは山ほどあったと思う。

 

千葉県民をはじめ被害にあわれた方々はもっと怒りの声を上げていいのではないか。

 

そして、この間のマスコミの報道もどこを向いて報道しているのか全く分からない。

マスコミも安倍長期政権に対して忖度していると思わざるを得ないのは私だけだろうか。

 

漸く野党も声を上げ始めたが、野党だって然りだ。

このような対応に至った原因は何だったのか、徹底した検証と議論を尽くさないといけない。

 

ただ、現場で復旧のため日夜奮闘する皆さんには本当に頭が下がる。ありがとうございます。

 

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