「墓じまいしました」

 

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カミさんは三姉妹の長女。

3人とも嫁いで、実家の墓守はいない。
お墓は江戸時代から続く墓地に数十基の墓石が立ち並んでいた。

この墓地は一族の株内がそれぞれ先祖を祀ってはいたが、墓地全体の継承者・所有者としてカミさんは義母が亡くなったとき、無縁になった墓石をお性根抜きをし一か所に集めて、供養塔を立て、跡地を整理し希望する人たちに墓地の拡張を認めた。
もちろん、数百万円という経費も掛かった。

私はカミさんの決断に驚くとともに、心の中ではもったいないことをとも思った。
でも、カミさんとしては一族の最後の長としての自負と責任があったのだと思った。
 
そして、今回は、自分の直系にかかる一族の墓じまいなのだ。
 
お寺さんは、真言宗で名高いお寺で、お坊さんもなかなかの論客だった。
檀家を抜けることに何かご意見を言われるかと少し身構えていたが、流石に墓を守るものがない事情を分かっていれば、反対はできなかったのだろう、すんなり認めてくれた。
 
お性根抜きの日は三姉妹とその連れ合いが集まった。
1時間ほど皆で最後のお墓掃除をした。
 
お寺さんが到着してお性根抜きのお経をいただく。
が、何とも丁寧で長い、1時間くらいはかかったありがたいお経だった。
終わってからお坊さんが「ここに眠るご先祖様に今まで守っていただいたことを感謝しなさいよ」と言われ、その通りだと思った。
 
終わってからお寺にお礼に伺い、お布施(20万円)を渡す。
お布施の額は寺総代に聞いていた。
以前、知人に聞いたケースでは、墓じまいを申し出たら数百万円を要求され、けんか別れをしたという。
それに比べれば大変リーズナブルな額だと思った。
 
もちろん、今回も墓石の撤去工事には数十万円の費用が掛かった。
 
なお、神棚も御霊抜きを神主さんにお願いした。
廃祀(はいし)と呼ぶらしい。
この費用はトータルで2万円程度で、お祓いが終わると、神棚も持って帰られて終了した。
 
 
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