引きこもり支援センターが大きな力に。家族だけでは前に進まない。

 

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アジサイの季節



先日来、引きこもり傾向のあったといわれる中年男性を取り巻く、二つの事件が大きなニュースとなった。
一つはスクールバスを待つ小学校の児童ら20人が殺傷された川崎事件。
容疑者はその場で自殺し、動機の解明が難航しているという。
容疑者は両親が離婚後、伯父夫婦に引き取られ10年以上、引きこもり生活を続けていたという。容疑者は51歳だった。
もう一つの事件は、元農水次官だった容疑者による、引きこもりだったといわれる長男の殺害である。
元農水次官という立場の殺人事件にセンセーショナルなニュースとなった。
長男は44歳だった。
家庭内暴力もあったと言われる息子を持つ元農水次官の父親に私は痛く同情した。
 
実は私の親戚にも引きこもりの30代の娘がいる。
母親と同居していたが、母親が不治の病に侵される中、二人の関係が次第に明らかになった。
当初は母親が優位の立場にあったけれど、年をとり、体力や発言力が衰えて立場が逆転し、母親は疲労困憊していった。

母親の状況が深刻になって行く中で娘の状況がだんだんわかってきた。
極度の対人恐怖症であること。
日中、外出が困難であること。
人に会わない時間帯にコンビニの買い出しやごみの搬出など最低限のことは必要に迫られてやれていることなどである。
従って、今盛んに言われているような、引きこもり→事件という構図では全くない。
彼女にとっては「社会の片隅で生きているので、そっとしておいてほしい」ということなのだろうと理解はしている。
 
ただ、自分の自由に社会に生きていたいというわけにはいかない。
年金暮らしだった母親の死後の収入はどうするのか、アパートの契約はどうなるのか、家賃はどうするのか、病院にもいかずに放置していいのか。
課題は山積していた。
 
こうした中で相談に乗ってくれたのが、市の引きこもり支援センターだった。
担当保健師は丁寧に、熱心に相談に応じてくれた。
アパートまで出向いてくれた。
玄関を開けてくれないのでドアの郵便受けから声を発して、話をしてくれた。
 
こうした経過をたどる中で、経済面のことやアパートのこと、ガス、電気水道など公共料金支払いの名義・口座変更など少しずつ前進している。
やはり専門職には当事者を安心させるプロの技術があると思った。
家族だけでは到底、前には進まないと思った。