カミさんが普通自動車の免許を返納した。
このところ頻発する高齢者の自動車事故、身近にも様々な交通事故のを聞く中で、他人事ではいられないという思いが強くなったようだ。
カミさんは私の父と一緒に暮らすようになったとき、特に病院の送迎の必要に駆られて免許取得を決断したのだった。
決断というと大げさに聞こえるかもしれないが、車の運転は彼女にとって得意ではない分野でもあり、やりたくないことの一つだったように思う。
でもカミさんの実家も山村の田舎暮らしだったため、苦手ながら必要に駆られて往復100キロ近い道のりをよく通った。
その意味では、運転免許の取得は大いに意味があったし、活用できた。
一昨年、彼女の実家の家じまい、墓じまいが終わったことから、免許返納というけじめをつけるにはちょうど良い時期だった。
岡山県では65歳以上の高齢者に対して、免許返納と同時に愛カードという証明書を発行してくれる。
それは身分証明書というわけではないが、岡山県警が発行するものであり法的効力はないが信用力はある。
また、2000店以上の協力事業所が協賛して様々な割引サービスをしている。
例えばバス事業者は愛カード提示者には運賃を半額割引し、タクシー会社も1割引きだ。
それからデパートやスーパー、様々な分野の小売業が割引サービスをしている。
先日、所轄署に出向いた。
用意周到なカミさんはあらかじめホームページなどから提出書類を整えた。
ホームページには縦3㎝横2,4㎝の写真の大きさが明示してあったという。
警察署の真向かいにある写真店で、写真を撮りカミさんは警察署に入って行った。
免許を提出するだけだからと言っていたが、だいぶたってから手続きを終えてカミさんが出てきた。
時間がかかったのは写真店でとった写真はいらないと言われ警察官が撮ってくれたからだと言った。
写真店の方がいいのが撮れているしお金もかかったのにと不満げだった。
帰宅してからもう一度よく調べたら、写真の件はカミさんの勘違いだった。
写真を用意する必要があるのは、返納したのち新たに免許を申請する人。
愛カード用の写真は警察で撮影してくれるとQ&A集に載っていたそうだ。
電話嫌いのカミさんだが、警察に電話して聞いていればこんなことはなかった。
しかし写真店では、これから免許返納に行くので「愛カード用の写真」をとお願いした。
写真がいるかいらないか、警察署の前で店を開いている写真屋ならその程度の説明をしてもいいのではないかとカミさんは言う。
もっともな主張である。
高齢者の免許の自主返納を進めるためにたくさんのお店の協力を仰ぐなどせっかくのよい制度なのに、何だか水を差された感じだった。